求道は狂気に至る

 あと一歩、今一歩足りなかった。
 そういう歯がゆさを抱えていたであろう主人公。
 狂気はそんな人間にこそ忍び寄ります。
 武術も魔術も、そういう意味では変わりません。鍛え上げた技が心を生むのではなく、心をなくせば自ずと限界が現れるものです。
 最後に彼が見たものは何だったのか、その拳は届いたのか、そこに心は未だあるのか、僕には不安でならないのです。

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