第13話
(十)社会のあり方を考える
以上のような生活をしながら、この自分史を書いて「私の一生のまとめ」を考えました。
第一は能力・体力が不足だらけの私だけれども、自分の道を拓き、自己実現ができて幸せに生きられた、という感慨です。
第二は、二十代の頃、貧しい人達に出会って社会の矛盾に気づき、学び、「社会変革運動の輪に加わる」決意をしました。体験した戦争を二度とさせてはいけない、この運動も含めて持続的に実践できたことが私の誇りです。
よく続いたなぁ、と我ながらびっくりします。
当初は、社会主義社会を理想だと思いましたが、歴史の現実とソ連、中国の社会を見て、そういう社会を創ることは容易ではありません。
これまで、女性が自立できる社会、ジェンダー平等社会を目指して戦い生きてきた私にとって、もの足りないことや心配することばかりが見えてきます。
しかし、八〇年前と比べると、ずっと暮らしやすくなっています。労働組合、諸団体、市民など当事者の要求運動の成果もあって、諸法律や制度、特に社会保障がささやかながら前進してきたこと、目覚めた人達が声をあげ行動することで、少しずつ前に向いてくるのだ。
それはゆっくりではあるけれど、必ず前進する、と信じられるようになりました。
祖国 @kounosu01111
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