ツンツンした態度とデレデレ……ではなく、過度なベアが盛り上がるコメディタッチとラッキースケベが豊富な読みやすい作品☆
労基法という小難しい条文がちらほらと登場するも、作者様独自の高い筆力と理解しやすい描写のおかげで、なんの抵抗もなく「労働契約とはこういうものなんだな」と感じる事ができるはずです。
個人的に興味深かったのは、労基法の知識や会社組織の詳しさよりも、これから先の主人公が自立できるよう、そして働く楽しさを理解してもらえるよう、雇用主が上手くOJTをしている部分。こういう上司や経営者の下だったら、自分も働きたいなと思わせてくれる(スケベ抜きで!)素敵な作品でした☆
今までに見たことのない法律的自由×恋愛的自由ラブコメ!
恋愛において、その人を好きになる自由が討論されてされたことはありますが、それって人によって〈自由〉や〈意思〉の捉え方って変わってきますよね。
しかし、この労基ラブコメは、そこに〈法律〉という普遍性を持つ物をぶちこんできました。
正反対に思える二つ混ぜて作られた作品ですが、笑いが零れて、はまるな危険!です。
多額の借金を背負ったツトムくんを、自分が楽しく生活するために雇ったルア様。
ただのお嬢様と下僕の関係でない、強い意思を持った、対等な関係です。
この二人もまた、正反対に見え、噛み合うようで噛み合ってないところが大好きです!
第1条が終わり、今が見頃です。
あえて、〈意思〉を無視するように言わせてもらうなら、
「面白い作品を求める貴方には、この作品を読む義務がある」
とにかくルア様が魅力的です。
いわゆる「ツンデレ」なのですが、ただのツンデレではありません。
容姿端麗で頭の回転も早い。なのに言動がところどころ怪しく、そもそも「僕」を雇おうと思ったきっかけがツッコミたくなるもの。
しかし、通すべき筋はしっかり通し、けして我が儘なだけなお嬢様ではありません。全力投球なヒロイン像には、やはり好感がもてます。
そんなルア様の元で、15歳の主人公が、「放棄しようと思えば放棄できる借金」を背負って働くとに合意するまでの経緯が丁寧に書かれているため、納得しながら読み進められます。
優しいおねえさん弁護士の荒生さんも、主人公(と読者)の立場に立って分かりやすく法律について教えてくれる、素敵で好感の高いキャラ。
女優のキッカちゃんも、どのように今後絡んでくるのか楽しみです。
親の死で残された、多額の借金…相続放棄をすれば返済義務はなくなるが、住み慣れた我が家等を全て失う。そんな選択を迫られる中で、少年は救いの手?を差し伸べるお嬢様に出会った!?…これがまた、普通に助けてくれるいい話ではないのですが、はっきり言ってこのお嬢様がブッ飛んでる。なかなかにエキセントリックで、よくある「天才のナントヤラは紙一重」の類で…でも、そんな彼女がヘンテコかわいくて、主人公に「早く契約しろ…早くぅ!」と思わされてしまう。この冬オススメの波乱万丈ラブコメですよ!法律の知識とかもわかりやすく添えてあって、ディティールの細やかさもグーです!