「小説を読んでいる」という事すら忘れる没入感

長い冒険者生活。魔物討伐の報酬である金貨1枚ですら、使い道を慎重に考える「その日暮らし」と言っても過言ではない日々を送る冒険者ラーク。
再開した華やかな身形のかつての仲間と自分を対比し、わだかまりを抱えたラークは、友人であるアシュレイと共に一攫千金の遺跡探索に挑む。

たった1話読むだけで「小説を読んでいる」という事すら忘れてしまう没入感。
その秘密は、「冒険者の生活」と「物語の舞台」が徹底的、かつ魅力的に書かれた第1話にあります。
そして、おそらくこの物語の重要な要素である「とある魔道具」との出合い、それによってラーク達に起こり始める「変化」が、この物語の面白さを際限無く上げ続けていきます。

仲間達と頭を捻らせながら解いていく遺跡内の仕掛け、そして魔物との戦いなど見所も多いです。特に戦闘に関しては、主人公パーティーは先の事情もあり、高価な武具や一発逆転の必殺技なんて持っていないんですよ。並みの実力、並みの装備で強敵に挑む訳です。ここがまた大きなポイントで、仲間たちで策を練り、弱点を見極めるなどして打開してく様子が驚くほど面白いんです。
そうして進んでいくうちに、ひとつひとつ、確かに連なっていくラーク達の「冒険の轍」がはっきりと見えるのも、この作品の外せない魅力です。

「とある魔道具」の「運命」に飲み込まれていく、ラーク達の冒険に飛び込みましょう!

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