第2話 探索304号室
蓮花は病室を出た。廊下はボロボロだが不思議なことに車椅子が通れるほどの道は整えられていた。
「やっぱり、ここには他に人がいるんじゃ...」
そう期待しながら先に進む。
そうこうしているうちに集中治療室についた。
「集中治療室...ここに私の知りたいことが....」
集中治療室の扉の取っ手をつかみ思いっきり引くが...ビクともしない。
「うーん、硬い...」
扉は鍵がかかっている。「鍵がかかっているのなら仕方ない」と言いながらさっき手に入れた304号室の鍵を使い304号室に入る。
「なに...これ....」
そこには血だまりになった部屋に人骨などがあった。
「うぅ....」
鉄の匂いがする...あまりにもひどい匂いに嘔吐をしてしまった。
しばらくして、机の上に破れた新聞紙を見つけた。
「平成××年△月□〇日.....少女電車事故って書かれている...」
自分の病室の記事と同じようだ。蓮花はこの少女は誰なのかと思ったしなぜこの記事が破れて部屋においてあるのか...そう思いながら人骨の方に近寄ると声が聞こえた。
「そこに誰かいるのか....」
男性の声だ。老いた男の声が聞こえた。
蓮花は、その声の方に行くと包帯を巻いたおじいさんが居た。
「君は、桃井 蓮花くんだね?」
「私のことを知っているんですか!?」
蓮花は驚いた!この病院に自分を知る人物がいたことに...
「あなたは、どうしてここに?」
蓮花の問いにおじいさんは笑いしながら「私は事故にあったんだよ」っと言った。
蓮花は問い続けおじいさんはそれに答え続けた。ただ一つだけは答えなかった。
「何で答えてくれないの?」
蓮花の問いに彼はこう答えた。
「このことは、自分で見つけなければならない。それが貴方の為だよ。」
そう答えるとおじいさんは「これを」っと言って小さな鍵を与えた
「これは?」
「病室309号室の鍵だよ。そこに求める物のヒントがあるから言ってみるといい。」
そう言うと最後に「刃物を持った男に気を付けて」っと言った。
「一緒に行かない?」
そう言ったが返事はなかった。
蓮花は部屋を後にしたが聞き忘れたことを思い出し部屋に入るとおじいさんの姿はなかった。
「あれ~?おじいさん?どこいったの~?」
蓮花はおじいさんを呼び続けているが返事はない...蓮花はベットの下などを確認するとベットの奥に大きな塊があった。
「おじいさん.....どうして...」
それはおじいさんの死体だった。
泣き崩れる蓮花はおじいさんの死体の頬を触った。もう硬直して冷たくなっていた。だが、こんなに早く死後硬直するものかと蓮花は疑問に思うことはなかった。
幽霊と化した少女 @yumesiro09
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