幽霊と化した少女

@yumesiro09

第1話 廃止病院の病室で

 少女が目覚めたのは、病院の消灯時間を過ぎてから間もなくだ。ここがどこの病院なのかもなぜ病院のベットで寝ているのかもわからない。

「私は病院で寝ていたの?」

 色々疑問に残るところはあったが、すぐに体の異変に気付いた。

「足が.....」

 少女の体は膝から下は無くなっていた。少女は、いったい何が起きたのかも覚えておらず処置された足を眺める他なかった。

 少女は、自分に起きたことを調べるために暗い病院を懐中電灯一本の明かりで探索することにした。

 最初に見つけたのはこの病室の病人や怪我人の名簿だった。

「桃井 蓮花」

 私の名前だ。

 私は桜河川中学に通う中学二年生で小柄な体にもっちりしたほっぺが特徴だ。皆からは、「もっちー」と呼ばれていた。今になっては、どうでもいいことだけど...

「私はここの病室の怪我人だったのね...」

 じゃあ、何故こんな人気のない病院にいるのかが疑問に残る...そう思いながら私は自分のベットから這うようにして動き体の全体を使いベットの方に向いてロックのかかっている車椅子に体重を乗せるように乗って病室の机に向かう。

「これは、一体...」

 そこには破れた新聞があり、記事にはとある電車の大事故が乗っていた。

「うーんなになに?中学生の少女が落ちた少年を助けてそのまま電車にひかれるっと言う事故...かわいそうに....」

 そう思いながらほかに何かないのか探すと小さな金属を見つけた。

「これは......鍵?」

 鍵は304号室の鍵だ。だが、何故ここに304号室の鍵があるのか疑問に思ったが気にせず先に進もうと思った時、二通の手紙が隣のベットからこっちに来るように流れ落ちてきた。

「手紙....ベットに誰かいるの?」

 そう思い「失礼します」って言いながら恐る恐るカーテンレールを開けるとそこには....誰もいなかった。

「え...誰もいない..この手紙はいったい誰が....」

 蓮花以外誰もいない、窓も開いていないはずなのに手紙が届き恐怖を感じたが他の患者の迷惑になるかもしれないと思い恐怖を堪えた。

 一通目の手紙にはクラスメイトの寄せ書きが書かれていた。その寄せ書きを見た私は「早く会いたいな」っと思いながら寄せ書きの手紙をしまった。

 二通目には奇妙なことが書かれていた。

「あなたの知りたいことの鍵は集中治療室と安置所にある」

 ただ、これだけのことだが最後にはこう書かれていた。

「本当に知りたいのなら覚悟が必要」

 蓮花は思った。何故覚悟が必要なのかと、そう思った蓮花はますます気になり集中治療室を目指すために病室を後にした。このことに後々絶望することに蓮花は知る由もなかった。

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