主役の二人がとにかく魅力的。いつまでも見守っていたくなります。

見た目は中学生。いや、小学生? そんな風に言われる、ショタくんこと翔太くん。
美人な奥様ですね。いえ、私はこの人の娘です。 実のお父さんと夫婦に間違われたこともある、アネさんこと杏寧さん。
そんな二人は、高校の同級生。共通する、ある意味正反対な悩みは、年相応に見られないこと。

この作品の魅力は、何と言ってもそんな主役の二人。
上に書いた説明を見て、アナタはそれぞれどんな性格を思い浮かべましたか? ショタくんは可愛い系、アネさんはしっかり者でしょうか?
もしそうだとしたら、少し読み進めればその印象はすぐに崩れ、カッコよくて男前なショタくんと、繊細で可愛らしいアネさんに驚くことでしょう。そんな先入観による印象と事実との違いが、この話の大きな軸にもなっています。

二人の日常や、身の回りで起こったちょっとしたミステリーを書いた本作ですが、基本は賑やかで笑えるコメディ。
ですが時にいじめや不登校などの苦しい思いをする場面も出てきて、だけどでは終わらず、そんな苦しさに負けないくらい、頑張れと応援する気持ちにさせてくれます。

楽しい場面も苦しいところも、二人が歩み経験した事なら、どんなものだって見届けたい。
そう思うくらい、読者の心を掴んで離さない、そんな二人の物語です。

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