第5話 見限った犬
1匹の犬がいた
眼前の電信柱を棒立ちで睨み付けている
小便をしようとしてるのかと思ったが
残念ながらそうではないらしい
今まさに放尿中だったからだ
しばらく電信柱を見ていた犬は
おもむろに電信柱に向かって足をあげた
犬は不思議そうな顔をしていた
足をおろした犬は辺りを見回す
先ほど立ってた場所に水たまりができているのを見つけた
犬は車道に向かって走り出した
車に轢かれた
跳ね飛ばされた犬はピクリとも動かなくなった
心なしか転がる遺体は笑っていた
空想的ナンセンス @Okaso
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