その姿、まさに求道者

舞台設定、ストーリー展開、作品の端々で語られる哲学……。そのほか細部に至る所まで、唸ってしまう出来映えでした!
 そして何と言っても、ブレのない主人公のキャラ造形!
 主人公は飽くまで強さを求めるため、空手とは何かを究めるために、敢えて困難に立ち向かっていきますが、その姿はこの作品の作者様に重なりました。
 主人公と対峙する敵に敢えて難しいキャラや境遇を持ってくるその姿に。
 イーフリート!? 触れないじゃん!
 ドラゴンライダー!? 空飛んでいるじゃん!
 スペクター!? 近づくことすら出来ないじゃん!
 クラーケン!? 水の中じゃん!
 古代ドラゴン!? 絶対無理だよっ!
 しかし作者様はその困難を正面から乗り越えていきます。
 ああ、そうなんだよな。面白いということ、エンターテイメントってこういうことなんだな、と改めて感じさせてくれました。
 そしてラストシーン。主人公は新たな闘いの場へと足を踏み出していきますが、その姿も作者様と重なって見えました。
 この作品を終えて、作者様も新たな闘いの場に足を踏み入れていくのでしょう。
 面白い物語を追求するその姿勢、一ファンとして今後も楽しみにしております。

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