わたし
外に出なくてどうする、
と、
言わんばかりの晴天の今日。
うるさいな、
わたしは今日はお出かけはいたしません。
きみの部屋できみとふたり、
無意味な時間を過ごすのだ。
久しぶりのきみの家。
わたしの大好きなきみの匂いに包まれる。
右を見ればちゃんと、
きみがいる。
部屋に漂うきみの匂いと、
きみのあたたかさで、
わたしは安心して、
読みかけの本を床に置き、
眠りについた。
部屋を出るのはきみの匂いから抜け出すということ。
寂しく感じたけれど、これでいい。
こうしようと決めたのはわたしだから。
見送ってくれてありがとう。
わたしの匂いはあなたの部屋に置いて来た。
きみが寂しい思いをしないように。
いいえ、
嘘。
わたしを思い出して寂しくなってくれるように願って。
きみの香りとさようなら。
きみにさよなら。
かおり 青葉芳 @aobys97
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