Part2 〜解き明かされる謎〜

「………ハッ!」

 ここは……どこだ?

「あれ?おれ部屋へやじゃないか」

 一体いったいなにがあったんだ?

 たしかちち部屋へやにある地下室ちかしつにいって……。

 そうだ!

「…夏目なつめたすけなきゃ!!」

 夏目なつめ何者なにものかによってられてしまったんだ!

いたっ!」

 駄目だめだ、ロボットにやられた怪我けがいたくてうごけない……。

「くそっ!!くそ!!!」

 夏目なつめたすけられない…。

 おれはなんて無力むりょくなんだ!!

 もっとちからがあれば……、ロボットたち対抗たいこうできるちからがあれば!!

 うらむ、うらむぞ!おれ自身じしんを!!

「ドウシタノ?」

「え?」

 このこえは……のりこ!!

「のりこ!なんでここに!?」

布団フトンタタオトガシタカラニナッテ」

いままでどこにってたんだ!!」

「ソレハ、夏目ナツメチャンガキテカラハナスワ」

夏目なつめ!?夏目なつめ無事ぶじなのか!?」

 どういうことだ……。

 たしかに夏目なつめられたはずっ!

無事ブジヨ。夏目ナツメチャンハワタシタスケタハ」

「なんだって!?」

 だとしたらあのときなぞ人物じんぶつはのりこだったのか?

夏目ナツメチャンヲ助ケタ経緯ケイイ、私ガイママデドコニッテイタカハチャントハナスワ。夏目ナツメチャンガキテカラネ」

いまはなしてくれないか?どうしてもりたいんだ」

2人フタリ一緒イッショイテシイノ。オネガイ」

「……かったよ」

 のりこがそこまでうんだ。なにかあるにちがいない。

 それに夏目なつめ無事ぶじだとれただけでも十分じゅうぶんだ。


 ギュルギュルギュルギュルギュルギュル!


「………」

「オナカイタノ?」

「…うん……」

 そういえば昨日きのうあさからなにもべてないな。

「ゴハンッテクルネ」

「おねがいします」

 いまはごはんべて夏目なつめ目覚めざめるまでつとするか。


 ※


「ふぅ」

 美味おいしかった。

 きジャケと味噌汁みそしる、ごはんべました。

 なかなか夏目なつめきてこないな。


 ガチャッ!


「タクちゃん!」

 夏目なつめ!?

無事ぶじだったのか!!」

「うん、のりこさんがたすけてくれたんだ!」

 かった、本当ほんとうかった!

「タクちゃんいてるの?」

「え?」

 あぁ、ほんとだ。

 なみだまらない。

「あれ?なにいてんだろ?かっこわるいな」

「そんなことないよ!わたしもタクちゃんにえてうれしい!!」

 …………!

「ごめんな!ごめんな!!おれ不甲斐ふがいないばかりに……!!」

「そんなことないよ!タクちゃんはさきたすけにてくれた、それだけで十分じゅうぶんだよ!!」

「うぅぅっ」

 駄目だめだ。

 うれしくてなみだまらない。

感動カンドウシテイルトコロワルインダケド」

 タイミング最悪さいあくだな!!

夏目ナツメチャン、ドウシテレテイカレソウニナッタカハナシテモラエナイ?」

かりました」

 おれいてるのにはなすのか!!

「あれはタクちゃんとたけるくんをショッピングにさそっていえかえったあと……」


 ※


 さてとっ!タクちゃんがまえ準備じゅんびしなくちゃ!!

夏目なつめー、かえったかー?」

 パパだ!

かえったよー!」

夏目なつめ重大じゅうだいなおらせがあるんだ!」

 なんだろう?

「なんと!ヒュロス本社ほんしゃ見学けんがくができる招待券しょうたいけんたりました!!」

「えぇぇぇぇ!ほんとに!?」

 イタリアにあるヒュロス本社ほんしゃ見学けんがく応募おうぼしてみたんだど、たっちゃった!!

かったな!イタリアだぞ!!」

「うん!」

明日あしたヒュロスのひとむかえにるから準備じゅんびしておけよ」

「はーい!」

 やったね!はじめての海外旅行かいがいりょこうだ!!


 ※


 ピンポーン


「はーい」

「おむかえにまいりました、ヒューマン・ロストしゃものでございます」

いまきまーす!」

 今日きょう東京とうきょうにあるヒュロス日本支部にほんしぶくんだ!

 見学けんがく説明会せつめいかい参加さんかしたあと東京とうきょうのホテルで一泊いっぱくしてからイタリアに出発しゅっぱつだって!

「おたせしました!」

招待券しょうたいけんはおちでしょうか?」

「はい!このとぉーり!」

確認かくにんしました。ではきましょう、おくるまにおください」

 タクちゃんとたけるくんにプレゼントしてもらったカチューシャもあるし!

 たのしいたのしい見学会けんがくかいはじまりだね!

っちゃだめだ!!夏目なつめ!!!」

「え?」

 あれ?タクちゃん?なんでここに?

「ちっ!おい!はやくるまれ!!」

 え?え?どういうこと?

 どうしてタクちゃんあんなにあせってるの?


 バン!


 ドサッ!


いたっ!」

「まさか…ロボット!?」

 ロボット!?このおじさんたちロボットなの!?

正解せいかいだ。じゃあな、坊主ぼうず


 ズドン!


「うっ!」

 え?うそ?タクちゃん?

 おねがいやめて!!

「いやぁぁぁ!タクちゃん!!」

「おまえ大人おとなしくしてもらおう」

 いや!やめて!!

さわらないで!」

無駄むだだよ、おじょうちゃん」


 シュッ!


「なに……これ…?」

 なんだかあたまがボーッとする…。

睡眠すいみんスプレーだよ。これで丸一日まるいちにちぐっすりだ」

 そんな……わたし誘拐ゆうかいされちゃうの…?


 バキッ!ドゴッ!


 ドサドサッ!


 おじさんたちだれかにたおされた?

だれ……?」

 このかおは…のりこさん?

タスケニマシタ」

 かった、これで安心あんしんだね……。

「ありが…と………」


 ※


「そんなことが……」

 まさか見学会けんがくかいよそおって誘拐ゆうかいをしようとしてたなんて…。

最初さいしょなになんだかからなかったの。でも…タクちゃんが…グスッ……なぐられるのを……で………ヒグッ……」

「お、おい。大丈夫だいじょうぶか?」

 夏目なつめいまにもしそうだ。

「どうしで!?ダグぢゃん!!もうごわぐでごわぐで……」

夏目なつめ……」

 安心あんしんさせてあげたい。

 でもおれ無力むりょくだ。そうさせてあげられるだけのちからがない……。

卓郎タクロウハドウシテ夏目ナツメチャンガアブナイコトニヅイタノ?」

 夏目なつめまえいてるのにいまくことかよ!

「それいまくことか?夏目なつめこわがってるんだぞ!」

情報ジョウホウ共有キョウユウ必要ヒツヨウデショ?」

「あのなぁ!」

「タクちゃん、もういいよ。のりこさんも悪気わるぎがあるわけじゃないし」

「でも……」

わたしになるからはなして、ね?」

 そこまでいうなら…。

「分かった」


 おれ2人ふたりちち部屋へやにあったかくとびらのこと

 そのとびらおくには地下室ちかしつがあったこと

 ヒューマン・ロストしゃ陰謀いんぼうのこと

 そしてちちがそれにかかわっていたこと

 すべてをはなした


「それでわたしたすけにてくれたんだ」

「うん」

「もしかしてほかひとたちもあぶないんじゃ?」

「そうかもしれない」

 あのときおれ咄嗟とっさ夏目なつめのところにった。

 だけど電撞市でんどうし住民じゅうみんもすでにロボットにわっているかもしれないんだ。

「モウ電撞市デンドウシノ80%ハロボット完了カンリョウシテイルワ」

 そうなのか。

 もうそんなに………。

「って!なんでのりこがってるんだよ!!」

ワタシニハダレガロボットニナッタカ、ダレツギノターゲットニナッテイルカガカルノ」

 どうして家事かじロボットののりこにそんな機能きのうがあるんだ?

一昨日おとといからいなくなるし、いま言動げんどうといいあやしいぞ!」

 本当ほんとうはヒュロスの手先てさきなんじゃないのか?

「ソウネ、マズハ一昨日オトトイカラいなかった理由ワケハナソウカシラ」

「そうしてくれ」

ワタシ卓郎タクロウ見送ミオクッタアト………」


 ※


ってきます」

ッテラッシャイ」

 卓郎タクロウ見送ミオク完了カンリョウ

 只今タダイマヨリ家事カジ開始カイシシマス


 ピーンポーン


「ハーイ」

「ヒューマン・ロストしゃものだが、おまえがのりこで間違まちがいないな?」

「ハイ、ソウデスガナニカ?」

裏切うらぎもの人形にんぎょうめ!いますぐつかまえてあいつの居場所いばしょってもらうぞ!!」

 ヒューマン・ロストシャ正体ショウタイガバレタ模様モヨウ

 テキ戦闘体勢セントウタイセイハイリマシタ

 タダチニコチラモ戦闘体勢セントウタイセイハイリマス

イマスグ攻撃コウゲキヲヤメナサイ。サモナイトアナタヲ破壊ハカイスルコトニナリマス」

「そんなわけにもいかないんでね」

「はっ!」


 ビュオッ!


 テキ正拳突セイケンヅキノ影響エイキョウニヨリ家屋カオク損害ソンガイ20%

 肉体ニクタイヘノダメージ7%

 破壊ハカイプログラムヲ開始カイシシマス

破壊ハカイプログラムデータ、注入チュウニュウ


 ドスッ!


「なんだ!?からだ異常いじょう発生はっせいしたぞ!!」

「うぐっ!ぐ…がご、あ…あぎゃ……」

 破壊ハカイ完了カンリョウ

 破壊ハカイプログラム使用シヨウニヨリノコリエネルギー2%

 緊急キンキュウ充電ジュウデンモードニハイリマス

「ナントカヒュロスノ使者シシャタオセタワネ…」

「デモ卓郎タクロウワタシ正体ショウタイガバレルワケニハカナイワ。ショッピングモールソバ裏山ウラヤマ充電ジュウデンシマショウ。ツイデニ裏山ウラヤマニコノ使者シシャ廃棄ハイキシテオキマスカ」


 裏山ウラヤマ到着トウチャク

 充電ジュウデン開始カイシシマス

 予想ヨソウ充電ジュウデン完了カンリョウ時間ジカンハ12時間ジカンデス


 ※


 充電ジュウデン完了カンリョウシマシタ

「サテト、一晩ヒトバンテシマッタワ。ハヤイエカエラナイト」

 通告ツウコク アズマ 夏目ナツメガヒューマン・ロストシャノターゲットニナリマシタ

 チカクニ千切チギリ 卓郎タクロウ発見ハッケンシマシタ

 千切チギリ 卓郎タクロウ現場ゲンバ遭遇ソウグウスル可能性カノウセイ97%

 タダチニ救出キュウシュツシマス

卓郎タクロウアブナイ。イソガナイト」

 飛行ヒコウモードニ変更ヘンコウシマス

 到着トウチャク時間ジカンヤク2フンデス

ッテテ、卓郎タクロウ


 ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!



 ※


 千切チギリ 卓郎タクロウアズマ 夏目ナツメ発見ハッケンシマシタ

 攻撃コウゲキサレテイマス

 目的地モクテキチマデ急降下キュウコウカシマス

「フンッ!」


 バキッ!ドゴッ!


 ドサドサッ!


タスケニマシタ」

「ありが…と………」

 アズマ 夏目ナツメ 睡眠スイミンスプレーニヨリ睡眠スイミン状態ジョウタイデス

イエカセテオキマショウ」


 ガバッ


「な!ま…て!!」

 千切チギリ 卓郎タクロウ 腹部フクブノダメージダイデス

卓郎タクロウ手当テアテヲシナイト」


 ※


「トイウコトヨ」

「それじゃあいえらされてたのも…」

テキ攻撃コウゲキ衝撃波ショウゲキハケタカラヨ」

「ショッピングモールの人影ひとかげも」

「キットワタシネ」

「あのときなぞ人物じんぶつも…」

ワタシヨ」

 おどろきだ。

 すでにのりこがヒュロスにおそわれていたなんて…。

「そういえば裏切うらぎものってどういうことだ?」

「ソレハワタシミノオヤガヒュロスノ陰謀インボウッテ、秘密ヒミツシテゲタカラヨ」

「そうなのか…」

 それにくらべておれちちなにをしてるんだ!

 人間にんげんロボット計画けいかく加担かたんしているうえに、家族かぞくいて失踪しっそうまでしやがって!!

ワタシハヒュロスノ陰謀インボウ阻止ソシスルタメニツクラレタノヨ」

「だから色々いろいろ機能きのうがあるのか!」

 すごいな、のりこは。

 おれなに出来できなかったのに。

「その秘密ひみつしたのりこさんのみのおやってすごいね!でもどうしてそのひとはタクちゃんのいえにのりこさんをおくってきたんだろう?」

 たしかにそうだ。

 あか他人たにんであるおれにのりこをおく理由りゆうがない。

 それに何故なぜおれははかおがそっくりなのもなぞだ。

「ソレハ……」


ワタシミノオヤ、ツマリ制作者セイサクシャハアナタノ父親チチオヤダカラヨ、卓郎タクロウ


「「え?」」






























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「AIロボットのりこ」がやってきてから何もかもが変わった。 いけこ @Ikeko

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