俺は氷魔法の天才らしい?

@DNA

第1話 おもいで

中神学園。

それは日本政府が誇る『裏』施設であり、この日本において魔法という力を持った者のみが入学出来るいわゆる魔法学園らしい……。

あの頃は、そんな学園があるとは夢にも思ってもいなかったし、まして俺にそんな力があるなんて思ってもいなかった……。

けれど、あの日の出来事で俺の人生は大きく変わったのだった。

八月二十日、暑かった夏もそろそろ終わりを迎え始める頃。俺は別の意味で終わりを迎えていた。

「うがー、終・わ・ら・ねぇ~よ~」 そう、宿題がまったくもって終わっていないのだ。

分かってはいた。分かってはいたのだが……。でも、やっぱしだるいじゃん。

そして、こーいうこと言うと必ず突っかかって来るのが目の前にいるこの姉である。

「うっさい。いい加減黙れアホ」

くっ……。姉貴にだけは言われたくねーよ

「あ~も~、俺去年どうやって終わらせっけ~」

おれ自身少し驚いた。自然と出たはずの単純な疑問なのに、いざ思い出そうとすると頭のなかにもやがかかったみたいになるのだ。

「あっ、あんたも。私もどーしても思い出せないんだよねー。なんか奥歯に引っ掛かってるっていうか……」

姉貴も、か……。誰かに教えてもらったって気がすんだけどなー。

まぁ、いいか。それより、とっとと終わらせないとな……。

俺は再び、宿題との格闘を再開した。

今、囲んでいるテーブルにもう一人いた。俺はそんな気がしてならないのだ……



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