「鬼討」と呼ばれる、神刀を操り、百鬼(=妖怪)を退治する少女達と少年の物語――と書けば、現代を舞台にした異能物、というイメージを抱かれる方が多いでしょうが……。
綺麗に裏切ってくれます、この作品。
その張り巡らされた伏線と、構成の妙は、「お願いですから読んで確かめてください!」としか言えないのですが……。
読んで損はない面白さです!
「えーと、この世には女子力、とか、しとやかさっていう単語もあるんですけど、ご存知?」と思わず聞きたくなるような、男前な女性陣も、とてもとても魅力的です!
本当に、物語孕む熱が並々ならぬこの作品。
読んで損はないので、ぜひご一読を!
「鬼討」と呼ばれる、『鬼を討つための力を持っている』者たちの物語なのですが……。
なんというか。
非常にレビューが書き難いんですよ!
伏線がね……。
伏線がもう、張り巡らされているので、何かここで書こうものならえらいことになりそうなんです。
ものすごくしっかり世界観が構築されていますし、謎回収の仕方も絶妙。拝読して何度も、「なんだよ、ちくしょうっ! そういうことかよっ」とパソコンに向かって怒鳴りました。
登場するキャラクター達も非常に魅力的。
一番合戦さんしかり、九鬼君しかり。
誰もが心や過去に、へし折られそうな何かを抱えているのだけれど、そこから目を逸らしたり逃げだそうとしたりはしない。自分なりの答えを探して行動する姿に、素直に共感しました。
私はですね。現在、知人に、「この話読んでみてよ」と勧め、「どこまで読んだ? あ。そう。ふーん(ニヤニヤ)。……え? いや、気にしないで。まぁ、もうちょっと読んでみてからまた話をしようよ」と言い……。
後日。「なぁ!? びっくりしたやろぉ!?」ということを、繰り返しています。
ということで。
是非是非、この作品をお読みください。
読んでいる途中、絶対、私の「なぁ? びっくりしたやろ?」と言う声が聞こえること、間違いなしです(笑)
この物語の冒頭を読み進めていった時、一読者として感じた印象を素直に述べると、題材と主人公、二人のヒロインの配置から、某有名な長くTVアニメ化されているシリーズを想起しました。これは本作に触れた読者の少なからずが受ける共通認識ではないかと考えます。しかし、それだけにイメージしやすいということは内容を読み手が脳内でビジュアル化しやすいという利点を持ちます。
そして、物語本編も最初は怪しげな怪奇譚として始まり、主人公の過去へと触れる展開から、ある種の青春物へと変転していきます。このまま、主人公たちは奇妙な三角関係を構築するのかと予想した辺りで、物語は大きく動いていきます。
狸寝入りを決め込んでいる主人公と女狐のようにせわしくなく動き続けるヒロインたち。そして最後に嗤うのは……。
と読み応え十分の伝奇アクションを堪能してください。
犬が笑うほどの上質なエンターテイメント作品であると評価いたします。
「鬼討編」まで読了しての感想です。
ネタバレできないので断片的なレビューですが…少しでも興味のある方は、ぜひ読んでみて欲しいです。
ありきたりなストーリーかと思いきや、設定が相当練られており、質が高いです。
「一番合戦さん」のキャラ造形も素晴らしい。なかなかいないタイプのキャラクターではないでしょうか。
冒頭は説明的な文章が続きますが、どうかここで読むのを止めないで欲しいです。「02-稲光の如く」から、加速度的に面白くなっていきます。
心理描写が丁寧なのも特徴で、ぐいぐい登場人物たちの心情に引き込まれます。バトルシーンもいい。
これだけ濃密な物語ですでに30万字超。何よりも、作者さんの熱意がすごい作品です。
現代日本、しかし妖かしが存在し、神刀が振るわれる伝奇世界。
堂々たるアクションファンタジーとして物語は開幕します。
王道を行く刀剣バトル、和洋取り混ぜた異形たち。
戦闘シーンの迫力は充分、主役たちの活躍を存分に楽しめました。
しかし、この話の真骨頂は、練られたストーリーにこそあります。
世界設定、登場人物たちの過去、少年ならでは葛藤――単純なバトルの積み重ねでは得られない物語の面白さが、読み進めるほどに深まって行くのです。
荒筋だけで「よくある伝奇バトルかな」と見切ってしまうのは、早計に過ぎます。
多少、長セリフにぎょっとしようが、それも味わい。すぐ慣れますとも。
ネタバレできないレビュー泣かせのこの話、ぜひ皆さんも最後までどうぞ!