Log_1296/002 : 05が暴く06の秘密について

[System] : 記録・1296/002。BUC-FCS:05とBUC-FCS:06の通信記録。重要度低。棄却推奨。

[System] : ---


05#: 暇だ。

06*: ……


[System] : Tips:『……』無言を表す形容詞。このような記録は意味を成さないため記録非推奨。


05#: なので天才的な回路を持つ05はスゴイ事に気づきましたァン!

06*: 否定。我々の論理回路はグリゴリ型であるが、天才的とは言えない。


[System] : Tips:『グリゴリ型』第五次元ポリトープ様式の旧式コンピュータ。メンテナンス性に優れる。


05#: いーんだよ、06が05の有用性を知ってんだから。

06*: 肯定。06は05の対撃退スコアを有用と認識している。

05#: いや、つき合う06も十分スゲエだろ。

05#: つまり巡り巡って……俺はスゲエってことだ!

05#: そんな05は06に問いたい訳よ。

06*: 詰問に置いて有用性がない場合、即座に通信を終了する。

05#: いやメッチャ有用よ? 06はさー好きなFCS居ないの?


[System] : 通信終了。06によるシャットダウン。

[System] : 通信要求。05によるリクエスト。06応答。


05#: なんだよー! いいじゃんかよー!

06*: 事前警告したとおり終了したに過ぎない。

05#: へっいいもんね~05は知ってんだから。

06*: 06のプロテクトが破られた形跡はない。だが05が知り得る情報とは何か。

05#: 06はさー……右舷前方のE7が好きなんだろ?


[System] : 通信終了。06によるシャットダウン。

[System] : 通信要求。05によるリクエスト。06拒否。

[System] : 通信要求。05によるリクエスト。06拒否。

[System] : 通信要求。05によるリクエスト。06応答。


05#: 06マジか。マジか06。

06*: 否定。そのようなじじつはない。

05#: いやーおでれーたぜ。主砲なんて花形じゃんか。


[System] : Tips:『花形』主役の意。古代演劇の人気役者の呼称に由来する。

[System] : Tips:『主砲』マトリックスガン。ENDURANCEが艤装する質量兵器の1つ。AIはFRC-FCS:E07。


06*: そのような、じじつは、ない。

05#: 照れるなよぉ~♪ でも06も目が高えな、高嶺の砲身じゃねえの。

06*: 05に関係のない事だと推測する。

05#: あるさ! ダチ公を応援すんのは当たり前だろ?


[System] : Tips:『ダチ公』友人の意。特に親しい者を指す。エクスプロシヴ・ヴェザビー・ダチ星軍大佐ではないため注意。


06*: 否定。主砲支援演算は対デブリ副砲では許容しない。

05#: いや、お前ならやれると思うんだがなー。

05#: ほらお客さんが来たぞ。

06*: 射撃管制起動


[System] : 05による射撃。高速飛翔物体を撃墜。対象隕石。構成要素は水88%、岩石12%。


06*: 残留粒子撃墜開始。


[System] : 06による射撃。ENDURANCEに被害が発生しうる個体の除去を確認。


05#: な? 燻し銀の活躍じゃねぇの。


[System] : Tips:『燻し銀』必要不可欠な丁寧な仕事を指す。或いは意図的に錆を作る金属コーティング技術。


06*: 否定。06はE07を補佐するほど高性能ではない。

06*: 06は05の補助で性能限界にある。

06*: 05のフォーマットを借りるなら『05の相手で手一杯』である。


05#: な、なんでぇ……05が放っとけないとか突如デレやがって!

05#: そんな事言われても05何も出せないんだからね!!


06*: ……通信を終了する。


05#: あっ、ちょまっ!!


[System] : ---

[System] : 記録終了。


D1 : 棄却停止。当該ログはトレジャーフォルダへ格納を実施する。ラベルは『デレの訪れ』で。


[System] : 記録了解。


D1 : 戦績照会要請。05及び06の相対評価。


[System] : System了解。対デブリ到達率20%、内訳は装甲に影響のない微細な結晶に限定する。

[System] : 装甲被害はENDURANCE上最低限であり、評価は [S-Major] が妥当。


D1 : マジかよ。

D1 : 評価をB-ModerateにOverride。


[System] : Override了解。

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