月曜日の朝

@mmateriall

今日はスッキリと目覚めた

私が通っている高校はそこそこの進学校で、ガリ勉タイプは少ないものの結構な人数が有名大学へ進学する様なそんな学校である。


いつもは夜中までダラダラとスマホをいじったりして寝起きが悪い私なのだが、今日は妙にスッキリと目が覚めた。

別に早起きをする何か特別な事情がある訳ではないし、いつもより早く眠りに就いた訳でもない。

でも、こんな事は珍しいので何だか得した気分でルンルン♪と支度を始める。

天気もいいし、無意味に気分があがってしまうのは致し方ない。

まるで月曜日の朝とは思えない気分♪

お気に入りのゴムで髪をツインテにして鏡を見る。

「これで、よし!!」


リビングに行くとお母さんが少し驚いた様子で「あら、梨花!今日は早いじゃない!」と言い放つ。

「おはよ。うん、何だかすっごい目覚めが良くて♪今日は目玉焼き?」

テーブルに目を落とすと大きめの浅い丸いお皿に目玉焼きとサラダとベーコンが盛り付けられていた。

このお皿のフチの模様が気に入っていて、薄い青色でフラクタル?な模様があしらわれているんだ。

お父さんは「食欲がなくなる皿だ」なんて言うんだけどね、まぁ気にしない気にしない。


調子が良いのでサクッと食べ終えたら歯を磨いて玄関へと向かう。

お母さんが「忘れ物はないー?」とリビングから声を飛ばすので「だいじょうぶー!!」と返事する。

「今日はローファーにしよっかなっ」と呟きながら足を少しくたびれたローファーに差し込んでいく。

「いってきまーす!!」とリビングのお母さんに声を投げかけて玄関の扉を開く。


開け放ったドアの先がいつもと違う。いつもなら町の風景が飛び込んでくるんだけれど、何かで遮られている。

一瞬、怯んだ様に立ちすくむとそこには人が立っていた。

いや、多分人だと思うんだけどパーティーグッズとかである馬の被り物、そうあの間抜け面の馬の被り物を被った人であろうものが静かに佇んでいる。


余りに突飛な光景を目にして暫く呆然としていたんだけどその馬の面の恐らく人であろうものが発した言葉で冷や汗が吹き出る「澪島 梨花さんですよね?」

朝っぱらからこんな得体の知れないものが玄関先に居るなんてヤバ過ぎる!!

瞬時にそう悟って今出てきたばかりのドアの方へ振り返ったその瞬間にドン!!

と後頭部に強い衝撃と何かが入り込んでくる感覚が同時に襲い掛かる。


次の瞬間、私は何が起こったかも分からないままバランスを崩して倒れているみたいだった。

薄れていく意識のなかで私が最期に見たものは血がついた鉈を片手にただ黙って直立している間抜け面の馬だった・・・


あれ、今日はいい事がありそうだなんて思っていたのにな。


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