魔女見習いのアンラッキーデイズ
剛力の魔女、工房。
「ルル。もう逃げるな」
筋トレ器具に囲まれた工房でルルが修行に汗を流す。
「チクショウ! 悪化してる!」
そんなルルに若干哀れみを感じながら唯人は言う。
「結局俺は戻れないのか」
「悪魔に人間の世界は厳しい。分かっていたこと」
迫害を受けて家族は離散した。姉は魔女に。弟は隠れて暮らす道に。
「……いいさ、諦めた」
ツイてなかった、と。唯人は悲観するでもなくそう言った。なるようになる。なるようにしかならない。
「唯人。ルルと契約。離れられない」
ルルとともに人間の世界で隠れ住む自信はない。何とも難儀な運命だ。
「やれるところで頑張るよ。俺はいつだってそうしてきた」
「唯人。強い子」
嬉しそうにアスカが笑う。
「いい話でまとめてんじゃないわよぉ!!」
ルルの叫び声。彼女のせいで日々喧しい。だが、そういう生活も慣れてきた。
「さって、俺も少し汗かいてくるか」
「私と。スパーリン「それは無理」
「チクショウ無視すんな!」
唯人が笑う。
「相手してやるよ、ルル。使い魔に負けるような魔女は情けないぜ?」
「きぃぃい!! ぶっ飛ばしてやるわ!!」
懲りずにボコボコにされるルル。
「ルル。特訓が足りない」
「勘弁して下さい、お師匠様」
三人が笑う。
事故が事故を呼んだハプニングデイズ。何だかんだでうまくまとまってしまった。
「いや、全然良くないにゃ」
「チクショウ! いつか覚えてろよ!」
「エンド様、命は大事に」
魔女見習いのアンラッキーデイ ビト @bito
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます