夢に落ちて~フォーリンマサイ~


「…って言う夢を見たんですよ」


バイト先の喫煙所。


川添に語った私。


そう、今までの話は全部夢だったのだ。


まさかの夢オチ。


「なんつー夢見てんだよ」


溜め息を吐く川添。


「つーか、俺のキャラ崩すなや」


「夢なんですもん、仕方ないじゃないっすか」


立ってタバコを吸う川添と、ヤンキー座りで見上げながらタバコを吸う私。


先輩後輩のクソもない。


「多分アレですよ、正夢」


「は?」


私に、マサイの村へ行けと言う暗示なのかもしれない。


「ってな事で、マサイ代プリーズ川添さん」


「なんでだよっ!むしろそれだったらマサイの戦士連れて来い。マサイの分だけ飛行機代出してやるから」


「えー、私の分は?」


「実費で行け、実費で」


太っ腹なんだかケチなのか。


「しかし妙にリアルだなその夢」


「アレですよ、川添さんがエプロンは何色が良いか聞いて来たのが原因じゃないすか?」


「そこ関係なくね!?」


私と川添のやり取りに若干ドーナッツ現象が起きている。


「あー、マサイに逢いたい…マサイラブ!」


「はいはい仕事戻るぞ」


「待ってくださいよー!」



いつか逢えると良いな、マサイの戦士に。



ー終わりー


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夢見るマサイじゃいられない 萱草真詩雫 @soya

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