第3話

交通機関の発達が進む中、鉄道は変わらず人々に利用されていた。地下鉄の使用率は全世界で高水準を保ち続けていた。

"カリフォルニア駅構内で点検作業のため、東京ーカリフォルニア間の一時運行停止を…"

その瞬間東京駅構内がざわつき始める。高速リニア鉄道が敷かれてから定期点検以外に点検作業がされること自体珍しいことである。そのタイミングの悪さに怒りを露わにする者、同じく失意を、もはや帰宅する者。カリフォルニア駅でも同様の事態に陥っていた。しかし、違っていたのは駅に立ち入り禁止の仕切りが建てられ魔導部隊まで導入されたこと。

「はっはっ…早く!このままだとマズイ…何で部隊まで来たんだよ」

「口ばっか動かさないで手を動かして!」

ホームから数百メートルの地点で作業をする真壁を守るように周囲を監視する草加部の目に人影が映る。

「真壁君中止して。本部に戻るしかない。」

「早く中止して!2人とも殺される。」

次の瞬間凄まじい水の流れが2人を襲う。真壁は作業に使っていた機械を抱え草加部とともに東京駅へと流される。カリフォルニアから東京まで猛スピードで流され続け駅手前で魔力は消えた。

「これはついてましたね!データも抜き取れたし、相手が水魔法で流してくれたから予定より早く着いたし!」

「そうね、私達が地球人じゃなかったら相手の魔力で水中での身動きができなかったでしょうね。」

草加部と真壁は揃って黒のロングコートでフードを被り東京駅を出る。東京駅を出て直進数百メートル進み狭い路地にある喫茶店に入りコーヒーを頼む。

「そういえば草加部さ〜ん、僕って東京支部初めてなんですけど〜どんなところなんですか?」

「均衡が保たれていない1人の男が権力を掌握している支部よ。他支部のTOP3を1人で相手できる強さをもつ男。」

「コールフィンJr...ですか」



「10年ぶりだな」

「お久しぶりです。宗介さん。」

戸村宗介、ナターシャの父にして戸村家のトップに立つ男。火属性の魔法に加え戸村家特有の獣化術を扱う。5つから7つになる2年間ノクトはこの男の元で訓練を積んでいた。

「それで何で急にここに来る気になったんだ?」

「まあまあそれは後でいいですよ、ナターシャの訓練が終わった後?とか。」



to be continued

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私は何?貴方は何? クウ @kuy

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る