第五話 紅の鳥

「哀れな精霊よ。私がくるしみから解放しましょう。」


「十%解放。四神 聖霊朱雀。その姿をあらわせっっ!!!」


 辺りが静まりかえる。

 魔精霊も動きを止める。

 なにがおこっているんだ?!


『「!!」』


 シュテルも気づいたようだ。

 空気が、渇いてる。


 ちがう!


 大気中のあらゆる水がしているんだ。

 その中心にいるのは、


 シュリ。

 そしてそのそばにいるのは、


 十メートルはこえるであろう大きな鳥。

 ただの鳥ではない。


 紅い。


 まるでシュリの髪のよう。


『久しいのぉ。シュリーテよ。また、暴れるのかのぉ。』


「いや、今回は。」


『なんだ、つまらぬのぉ。ではさっさと片付けるかのぉ。』


 目の前にいるのは、なんだ!

 あの鳥は?!

 いや、それよりもシュリから発せられる、禍々しい力はなんだ!!



『リヒト……私たちは手を出さないほうがいい。たぶん、私たちがられる……!』

 手を出さないんじゃない。

 

「じゃあいくよ。シフト、聖霊剣フレンムスパーダ!!」

 その言葉と同時に炎の鳥が消える。

 そして、シュリの手には焔に包まれている大剣が握られている。

 魔精霊はシュリに襲いかかろうと一気に跳躍。

 同時にまわりの黒い蔦がシュリめがけて、飛ぶ。

 そんな魔精霊に動じず、シュリは剣を振り下ろす。


「安らかに。悪魔の使徒よ。」


「グゥエ……!!」


 俺が、全然相手にできなかった魔精霊はシュリのたった一撃で消えた。


「あり……が……とう。」


 魔精霊が最後に言った気がした。


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剣姫と大剣《グランデスパーダ》 爆魄狂華 @kutori

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