第四話 魔精霊

「精霊界の悪魔の使徒と呼ばれるものたち。」


 魔精霊?

 聞いたことがない。

 そんな俺の心の声に答えるように、パルトが説明を始める。

『魔精霊とは高位精霊が狂気にのまれたものたちだ。それが何故か人間界に現れるようになった。だから、人間界と精霊界の平和のため、その魔精霊を無に還すんだ。』


 人間界と精霊界は古きから盟約を結んでいる。その、盟約には隠された秘密がある。

 それは、魔精霊の討伐。

 五百年に一度のペースで魔精霊が現れる。

 魔精霊は低位精霊の剣憑依エペハイトでは倒せないとされる。

 そのため、高位精霊の剣憑依エペハイトで討伐する。

 人間と高位精霊が契りを結べるように、精霊界は人間界と盟約を結んだ。

しかし、高位精霊と盟約できる者は数少ない。


『こいつら、ここ三年で数百体現れるようになったんだ。』

 なんだって、そんなやつがそんなに人間界に現れるのか!

 よりによって、俺の村に!!

「しゃべっているひまは、ない。こいつは草の魔精霊。」

『つまり、焔精霊のおれが必要ってことだな。』

 なるほど、草は火に弱い。

 相性は最高だ。

「ちょっと待ってくれ。パルト今、力がないんじゃないないっけ!」

 じゃあダメじゃん!!

 てか、魔精霊がいまに襲いかかろうとしている。

「いくよ。パルト。」

『いつもでもいいよ!』

 そういうとシュリは魔精霊を指差す。

「タ……ケテ……クルシ……イ」

 魔精霊はとても苦しそうだ。

 狂気に呑まれた精霊は二度と元に戻れない。

自我を失い、狂気に支配され続ける。

「哀れな精霊よ。私がくるしみから解放しましょう。」

 そういうとシュリの体が光につつまれる。

 なにがおこるんだ……!?


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