廻る歯車
今日もバーで独りで飲む。彼が来るのではないかと期待しながら。
「久しぶりだな、大きくなったじゃないか」
声をかけたのはあの時姿を消した彼。
「改めて…一緒にどうかな、お兄さん?」
「ふふっ其れは私の台詞でしょう?」
そうだな、なんて言いながら、あの時と同じ様に酒を仰いだ。
「ねぇ…どうしてあの時、何も云わ…
いや、こんな話しやめにしようか。」
そんなことはどうでもいい。今はただ、
彼と再び巡り会えた事に
我々の20年振りの邂逅に、乾杯を――
邂逅 シエル @ciel-vy0218
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