第5話

「最初に、謝んなきゃいけないことが沢山あるんだ」

あいつに聞いたこと、ちゃんと話そう

七希君のためでもあるし

家族のためでもある

…そして僕達が生きるため


「初めて会った時、死んでないって言ったよね

ごめんね、君は生き返りなんだ」

許されない、こんな違反をしてまで生きてほしいと願われたから

僕は目を瞑った


「もう、僕はお母さんとかに会えない?」

目に涙をためて


「会えるよ、ずっと一緒にいられないけど」

まだ小さなこの子を親と別れさせるなんて、したくなかったんだ

今はまだ、会いに行けないけど

「君のお母さんから手紙を預かってるんだ、読むね」


七希へ

あなたが笑ったり、走ったり、楽しく生きられる場所があると聞き、寂しいですが任せることに決めました。

毎日、一緒に居られないのは辛いですが応援しています。

また会える日まで


短いけど愛のある

僕の憧れのような家族だな


「あと、これは兄弟からかな?」

女の子用っぽい髪留めやアクセサリーに男の子用の車のおもちゃ、ぬいぐるみなんかも入った袋

確か、七希君の病院に行った時見かけた子達からかな

柔らかそうな薄桃色の髪に赤い髪留めをつけ、泣きそうな目でこっちを見た。

「僕、早く強くなってお母さんとかに会いたい」

「うん、強くなって遊びに行こうね」

指を絡め、未来の約束をする。

お互いに初めての

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夢は続く 緋穂 しの @hisuisino

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