月と太陽

私は昨日と同様にバイト代をタクシー内で受け取って帰宅しました。家に帰ってくると、部屋の窓から月が見えました。黄色に光る月を見ると、人間の世界に戻ってきたんだなと実感します。あらためて、あの荒野は本当にこことは違う異世界なんだなと思いました。


次の日、学校でクラスの男子がゲームの話をしているのが聞こえました。スライム何体倒してレベルがいくつ上がったという話をしていました。私はそれを聞いて、ちょっとなんとも言えない気持ちになりました。いや、クラスの男子はあくまでゲームやってるだけだと思いつつ、何となく、罪悪感のようなものを感じました。いや、感じる必要もないんですが。


昼間の学校は明るく、太陽の光が教室に差し込んできます。ああ、この世界の昼間ってこんなにキラキラしてたんだな、とはじめて気づきました。あの荒野の寂しさに比べると、この私たちがいる人間の世界というのは明るかったんですね。それに気づけただけでも良かったです。


今日の放課後も、またあの荒野でスライムのお墓を数えに行こうと思います。


(終)

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スライムの墓を数えたことはある? 快亭木魚 @kaitei

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