ゲス顔の召喚士は、服だけを溶かすスライムの召喚に成功したようです。

湖城マコト

服だけを溶かすスライムの有効活用

「ぬひひ。ついに、ついにやったぞ!」


 ずっと研究を続けていた、失われた召喚式しょうかんしきの復元に俺は成功した。

 嬉しさのあまり口角がり上がる。

 周りからはよくゲスい笑みだと言われるけど、不器用で笑うのが苦手な俺はどうしたってこういう笑い方になってしまう。ゲスいだ何だと言われるけど、これが俺の素の笑い方なのだからどうしようもない。


 魔獣や神獣を呼び出し使役しえきする魔術を召喚術しょうかんじゅつと呼び、召喚術に使用する術式を召喚式と呼ぶ。


 召喚式は無数に存在し、使用する式によって呼び出す魔物の種類やランクが変化する。

 一般的な召喚式は、召喚士学校の教本や魔術図書館に所蔵されている術書などに記載きさいされているが、中には何らかの理由により消失、あるいは破棄はきされた召喚式も多数存在する。今回復元に成功した召喚式もその中の一つだ。

 

 失われた召喚式を復元することは、一般的にはタブーとされている。

 過失による紛失を除けば、倫理的な問題から破棄された召喚式も多いからだ。


 あるいは、一国を一昼夜で焼き尽くす暴虐ぼうぎゃくの火竜。

 或いは、下等な人間などと本来ならば交わることは無いであろう高位の存在。

 或いは、災害や疫病えきびょうの姿をまとった死そのもの。


 あくまでも一例だが、どれもこれも世界に混乱をもたらすには十分すぎる力を持つ。


 断っておくが、俺は世界征服を企てているわけではないし、破滅的、終末的な思想を抱いているわけでもない。

 実際、今回呼び出そうとしているのは攻撃力の低い低ランクの魔物で、危険度だけなら自然界に当たり前に存在しているバトルボア(黒い猪のような魔物)やバイオトード(大きなカエルのような魔物)の方が上だ。


 この召喚式が失われたのは、戦闘能力等の危険性よりも、その恐るべき能力を使用することに対する倫理的な問題の方が大きく、特に女性からの反発が強かったと一部の書物には記述が残されている。


 だが、そういった世論に逆らってでも、この魔物の召喚式を後世に残したいと考えた召喚士(恐らく男性)は少なからず存在していたらしい。先人たちが召喚式の一部やヒントを残しておいてくれたおかげで、俺はこの召喚式を復活させることが出来たのだから。


 この召喚式があれば、俺は長年の願望がんぼうを叶えることが出来る。


 善は急げだ。復元した召喚式を元に、召喚に必要な魔法陣まほうじんを床面へチョークで描いていく。

 大きな円の中で波紋はもんのように重なりあった無数の小さな円と、あいだうように散りばめられた古代魔術文字の数々。描くのはなかなか大変だが、願いを叶えるためならこの程度の苦労は何ともない。

 

 魔法陣は描き切った。

 後は召喚に必要な言の葉を述べるのみ。


淫靡いんびなる宵闇よいやみより生まれし異形のしずくよ。我が渇望かつぼうに応じ、現世うつしよへとしたたり落ちたまえ――」


 魔法陣上に異界と繋がる裂け目が発生し、空間そのものが振動する。


「――顕現けんげんせよ! 分散王ぶんさんおうクラールハイト」


 言の葉を終えると共に、一際激しい震動が発生。

 同時に、裂け目から異形なる魔物がその姿を現す。


「会いたかったぜ」


 裂け目から魔法陣に落ちたのは、内部に赤いコアを持つ、無色透明のジェル状の生物――スライム種の魔物だ。直径約30センチ。高さ約20センチと小型だが、スライム種はその大きさを自由に変えることが出来るので、初見の大きさの印象はあまり当てにならない。


 一般的にスライム種の魔物は、あらゆる攻撃を無力化するジェル状のボディと、無機物、有機物を問わずに、飲み込んだ物を全て溶解ようかいさせてしまう性質から非常に危険な魔物であるとされている。

 だが、今回俺が召喚した分散王クラールハイトは他のスライム種とは異なる性質を有しており、人体に害は無く殺傷能力は皆無。ゆえに危険度はスライム種とは思えない程に低い。


 分散王クラールハイドが溶かせる物はごくかぎられている。


 分散王クラールハイト。

 またの名を「服だけを溶かすスライム」

 

 この別名を聞けば、召喚式が破棄されるに至った倫理的な理由と、世論に逆らってでも召喚式を残そうとしたも者たちの気持ち。その両方に想像がつくことだろう。

 

「分散王クラールハイトよ。契約にもとづき、俺の指示に従ってもらうぞ」


 了承の合図として、クラールハイトの赤いコアが一度点滅。

 スライム種はコアの点滅でコミュニケーションを取り、一度の点滅は了承、二度の点滅は拒否を表しているという。

 アドバンテージは召喚士側にあるし、そもそもクラールハイトはランクの低い魔物。命の危機でもない限りは俺に反抗することはないだろう。


「お前の力を試させてもらう。俺の右腕を飲み込んで、そでだけを溶かしてみせろ」


 万が一にも文献ぶんけんに間違いがあり、他のスライム種同様にクラールハイトにも人体を溶かす溶解性が備わっていたら大変だ。まずは俺自身の体で確かめなくては。

 白いシャツを着た右腕を差し出すと、クラールハイトの赤いコアが点滅。ジェル状の体を蛇のようにくねらせながら俺の右手の先に触れ、そのまま一気に俺の右腕全体を包み込んだ。


「よし、痛みは無いな」


 普通のスライム相手ならば飲み込まれた瞬間に、体を溶かされる強烈な痛みに襲われているところだろうが、クラールハイトに包みこまれた右腕には痛み一つ感じない。むしろひんやりとした感触が心地よいくらいだ。

 

「ぬひひ! こいつは凄い」


 みるみるうちに、シャツだけがクラールハイトの体の中に溶けだしていく。腕は皮膚も筋肉も無事。本当に服だけを溶かしている。

 包み込んでいたシャツの右袖を全て溶かし切ると、クラールハイトのジェル状の体はゆっくりと俺の右腕から離れていった。


「ぬひひ! 完璧だ! この能力があれば、俺の願いは叶う」


 ニヤニヤが止まらない。

 服だけを溶かすスライムを召喚したくて、今日まで頑張って来た。

 決して平坦な道では無かったけど、その苦労も報われる。


 全てはあの子を丸裸にする今日この日のために!


「クラールハイト。是非ともお前に服を溶かしてもらいたい女の子がいるんだ。協力してくれるな?」


 クラールハイトのコアが一度点滅した。


 〇〇〇


「夜分にすみません」

「お嬢様は自室におられます。私は詰所つめしょで待機していますので、何かありましたらお呼びつけください」


 俺は幼馴染おさななじみのアリスが住むお屋敷を訪れた。不躾にも夜分の訪問となってしまったが、顔馴染のため執事長は嫌な顔はせずに俺を家に上げてくれた。アリスの父親は貿易ぼうえきの仕事で長期間家を空けているので、アリスの気分転換のためにも良いと判断したのかもしれない。


「よう、アリス」

「……アレン。こんな時間に何の用?」


 一度ノックをしてから扉を開けると、化粧台けしょうだい椅子いすに座ったアリスがだるそうな声を発した。

 金髪きんぱつ碧眼へきがんの美少女は、お馴染みのフリルのついた黒いミニ丈のドレスをその身に纏っている。


「近くまで来たものでな。少し寄ってみた」

「……何かたくらんでいるような顔をしているけど」

「ぬひひ~そうか?」

「あまりこういうことを言いたくないけど……完全にゲス顔だよ」

「俺は昔からそういう顔だろ?」

「普段の顔と、何か企んでいる時の顔くらい簡単に見分けがつくよ。幼馴染だもの」

「だったら俺の方は、今まで見たことの無い幼馴染の姿をおがませてもらうとするかな」

「どういう意味?」

「今日はアリスの裸をこの目で拝んでやろうと思ってな」

「……悪い冗談はやめて。アレンといえども流石に怒るよ?」


 不愉快だと言わんばかりに、アリスは肩を抱いて俺から視線をらす。


「俺は本気だよ」

「えっ?」


 アリスの左肩に触れて俺は唱えた。


「出番だクラールハイト」


 俺の意志に呼応し、用意していた転移てんい魔術まじゅつが発動。

 自宅に残して来たクラールハイトが、転移魔術特有の赤い光と共に俺の右肩の上にワープしてきた。

 俺のシャツの右袖を溶かしながら、クラールハイトのジェル状の体がアリスの左肩目指して伝っていく。


「な、なにこれ……怖い……」

「ジッとしてろ。直ぐに終わる」

「だ、だってアレンの服が溶けて……」

「大丈夫だって。服が溶けるだけだから」

「だからどういう――」


 なとど言っている間にクラールハイトの体がアリスの左肩へと到着した。

 あらかじめ指示しておいた通り、クラールハイトはそのままアリスの体を、頭以外全て包み込んだ。


「やだ、怖い! これってスライムでしょう? 人間を溶かすっていう……」

「そいつには人体を溶かす力は無い。溶かすのは服だけだ」

「そんな都合のいい話あるわけ」

「ご都合主義は存在するんだよ。呼び出すまでが一苦労だったけどな」

「嘘……」


 アリスが驚愕きょうがくに目を見開き、ほおには冷や汗が伝っていた。

 身に着けていた黒いドレスがどんどんクラールハイトによって溶かされていく。身に起こった出来事をすぐさま受け入れられないのも無理はない。

 

 順調に服が溶けていくのが嬉しくて、俺は興奮を抑えきれなかった。

 アリスの体は、ドレスよりも色白な肌が占める割合の方が多くなってきた。

 しなやかな肢体したいが、くびれた腰回りが、色白で形の良いバストが、あらわになっていく。


「きゃっ!」


 胸を包む布が完全に溶け切った瞬間、アリスは可愛らしい短い悲鳴を上げて両腕で胸を隠す。

 腰回りの布も全て溶け、アリスは一糸いっしまとわぬ姿となった。同時にクラールハイトはゆっくりとアリスの体から離れていく。


 眼福がんぷくだ。この瞬間を、どれだけ待ち望んだことか……。


「本当に、服が全部溶けた……」


 自らの身に起きたことが直ぐには信じられない様子で、化粧台の鏡に映る自身の裸体を見つめ続けた。

 次第にアリスの瞳がうるみだし、今にも泣き出しそうな顔で俺の方を見た。


「アレン!」


 瞬間、アリスが裸体もいとわず俺に勢いよく抱き付いてきた。

 突然のことに驚きながらも、華奢きゃしゃなアリスの裸体を抱き留める。


「ようやく脱げた……呪いのドレスが、ようやく脱げたよ!」

「ああ。アリスは解放されたんだ」


 嬉しさのあまり、アリスは大粒の涙を浮かべていた。

 ずっと我慢していたけど、アリスの泣き顔を見たらもう限界だった。嬉しさも手伝って、俺も思わずもらい泣きしてしまう。

 

 アリスはこの3年間、決して脱ぐことの出来ない呪いのドレスに苦しめられていた。

 呪いのドレスは脱げないだけではなく、着た者の生命力を吸収し続ける性質を持つ。現に最近のアリスは体力の低下から常に怠そうで、外出する機会もめっきりと減ってしまっていた。

 幸いすぐさま命を奪われることは無かったが、それでも生命力を吸われ続けてるという性質上、決して長くは生きられないだろうと魔術医まじゅついからは宣告せんこくされていた。


 服屋の商品に紛れ込んでいた、誰が作り出したのかも分からぬ呪いのドレス。

 可愛らしいデザインにかれて、何も知らずに偶然ドレスを試着したアリスが被害にってしまった。

 呪いは現在確認されているどのタイプとも一致せず、ドレスの製作者も不明。貿易商であり顔の広いアリスの父親が、各地の著名ちょめいな魔術師に相談して回ったが、ついぞ呪いを解く方法は見つからなかった。


 元々は俺も魔導騎士を目指して魔術学院に通っていた身。正攻法で呪いを解くことが難しいのはよく理解していた。

 アリスをドレスの呪いから解放するには、もっと別のアプローチが必要だと考え、専門外の学術書や文献にも目を通すようになった。

 そんな時に見つけたのが、服だけを溶かすスライムについて記述した召喚術の文献だ。

 嘘か誠かも分からぬたった一行の記述であったが、八方はっぽうふさがりである現状、試してみる価値は十分だと思った。

 

 幼少期からの夢であった魔導騎士の道を諦め、畑違いである召喚士へとくらえした。


 アリスを救える可能性があるのなら、俺の夢なんてどうでもよかったから。


 元々魔術を学んでいたので、ゼロからのスタートというわけではなかったけど、それでも通常の魔術と召喚術は大きく異なり、人並みに召喚術を扱えるようになるには随分ずいぶんと苦労した。アリスを救うという目標が無かったら、とっくに投げ出していたことだろう。

 クラールハイトのランクがそこまで高くなかったのも幸いだった。必要な魔物がもっと高ランクの存在だったとしたら、今の俺の実力から考えて召喚までに最低でもあと10年は必要だったと思う。もしそうなっていたら、アリスの容体は取り返しのつかないところまで進んでいたかもしれない。


 今日この瞬間、俺の努力は報われた。

 アリスはドレスの呪いから解放された。これほど嬉しいことはない。


「ぬひひ! やってやったぜ」

「もう。またそういう笑い方をする。嫌いじゃないけどさ」

「ぬひひ」


 照れ隠しにゲスい笑みをさらに上塗りする。やっぱり笑うのは苦手だ。


「おっと」


 ドレスを溶かすことに成功した嬉しさで失念しつねんしていたけど、そういえば今のアリスは全裸なのだった。

 来客用の椅子にかけていたロングコートを手に取り、そっとアリスに羽織はおらせる。


「服を溶かした俺が言うのもなんだけど、何か着ないと風邪ひくぞ」

「ありがとう」


 コートの前を閉じると、アリスはクローゼットの引き出しを開けた。とりあえず下着だけでも身に着けてもらわないと、目のやり場に困る。


「とりあえずはこれで」


 ……何でだろう。裸よりもエロい気がする。

 

 不思議なものだ。下着の上に白いブラウスを羽織ったアリスの姿は、布の面積が大幅に増えたはずなのに、全裸の時よりも扇情的せんじょうてきに見える。

 

「遠方にいるお父様にも早くこのことを知らせてあげないと。今もきっとお仕事の合間を縫って、ドレスの呪いを解く方法を探していることでしょうから」

「手紙の文面さえ書いてもらえれば俺の方で何とかしよう。お父上の滞在先には、確か魔術協会の支部があったはずだから、普通に手紙を出すよりも早く届けられるはずだ」


 事情を説明して魔術協会の支部に転移魔術で手紙を送れば、支部の人間がそこから直接アリスの父上に手紙を届けてくれるはずだ。普通に手紙を出せば半月はかかるところだが、この方法なら早ければ明日中にも手紙を届けることが出来る。アリスの父上が娘のためにどれだけ奔走ほんそうしてきたかは俺もよく知っている。早く安心させてあげたい。


「何から何までありがとう。本当に何とお礼を言ったらいいか」

「俺とお前の仲だ。俺に礼なんていらない。それよりも、礼ならこいつに言ってやってくれ」


 俺とアリスに気を遣ってくれたのだろうか? 部屋の隅っこで小さくなっていたクラールハイトを手招きして呼び寄せる。


「こいつがいなかったら、俺はお前を救うことは出来なかった」

「この子のお名前は?」

「分散王クラールハイト」


 アリスは微笑みを浮かべて、呪いのドレスを溶かしてくれた恩人へと手を伸ばす。


「ありがとうクラールハイトさん」


 感謝の意を込めて、アリスはクラールハイトをジェル状のボディを優しくでた。

 照れているのだろうか? クラールハイトの赤いコアが点滅を繰り返している。


「クラールハイト。アリスを救えたことで俺とお前の契約は果たされた。心から感謝しているぞ」


 はい、という意味なのだろう。赤いコアが一度点滅した。


「またいつか、お前の力が必要になる時が来るかもしれない。その時はまた、俺に力を貸してくれるか?」

 

 赤いコアが一度点滅した。召喚士と魔物という関係性を抜きにしても、こいつは意外と優しい奴なのかもしれない。


「ありがとう。クラールハイト」


 俺が感謝の言葉を伝えると同時に、クラールハイトの上方に異界へ繋がる裂け目が発生。召喚時の光景を巻き戻すかのように、クラールハイトの体が裂け目へと吸い上げられていき、元いた世界へと帰っていった。


「クラールハイトさんはどうなったの?」

「俺との契約が終了して、元いた世界へ帰っていったんだよ」

「そっか」


 先程までクラールハイトがいた位置に、アリスは少し寂しそうな顔で「バイバイ」と手を振った。


「クラールハイトさんに言った、『またいつか、お前の力が必要になる時が来るかもしれない』というのはどういう意味?」

「呪いのドレスがあの一着だけとは限らない。世界には他にも、アリスのように呪いのドレスに苦しめられている人がいるかもしれない。呪いを解くためには、クラールハイトの力が必要だ」

「確かにその通りだね。もしかしたら、ドレス以外の形をした呪いの服も存在しているかもしれないし」

「この件は近い内に魔術協会に相談してみようと思う。流石に個人ではどうにもならない問題だからな」 


 個人での情報収集には限界がある。より多くの人たちを救うためには、魔術協会という巨大組織の力が絶対に必要だ。

 お節介かもしれないが、クラールハイトの能力が一部の呪いを解くのに効果的だと認められれば、性的な用途に悪用されがちという、あいつの悪いイメージを少しは改善出来るではとも密かに期待している。


「活動が始まったら私にも手伝わせて。呪いの苦しみは誰よりも理解している。他にも苦しんでいる人達がいたとしたら、その人達の力になりたい」

「ありがとう。その時は是非とも力を貸してもらうよ」


 呪いから生還した者の存在は、活動において大きな意味を持つだろう。俺はアリスの提案を快く受け入れた。


「……ねえ、アレン」

「アリスどうし――」


 身を乗り出して来たアリスが、不意に俺とくちびるを重ねてきた。

 突然のことに思考が追いつかない。


「大好き」

「えっ?」 

「……呪いせいで明るい未来なんて諦めていたから、この想いも伝えないつもりだった。だけど、アレンのおかげで私は未来を諦めずに済んだ。もうこの気持ちに嘘はつけない」

「……アリス」

「アレンは、私のことをどう思ってる?」

「俺は……」


 答えは決まっている。

 今日に至るまでの俺の原動力は、全てのアリスへの思いだったのだから。


れた女のためじゃなきゃ、ここまで頑張れなかったさ。俺もお前が好きだ!」

「嬉しい!」


 力強く抱き付いてきたアリスの体を優しく抱き留めた。

 アリスを救えて本当に良かった。


 笑顔を作るのはやっぱり苦手だけど、この時だけはいつもより自然に笑えたような気がした。




 了

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ゲス顔の召喚士は、服だけを溶かすスライムの召喚に成功したようです。 湖城マコト @makoto3

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