翼餃子の黒柴姫

翼餃子マスター

第1話 生まれて生きている。芝麻醤姫じーまーじゃんひめ

あたし、芝麻醤。じーまーじゃんと読む。

北京語でゴマだれという意味だそう。

記憶があるその日から、あたしにはパパという大きい奴が一緒にいる。

パパはあたしに美味しい肉をくれる、歩きに行ってくれる。

たまにしつこくあたしの身体じゅう、ぐにゃぐにゃ触りまくる。

うーーーーーって怒っても続けるので、ガブッって手にお仕置きします。

パパは血を流しながらイテテーーって言うけれど。

あたしが大好きだよって、いいます。

そんな日常。

あたしの縄張り。

そして、ここには沢山の人間が毎日来るの。

パパは知らない匂いの人間が来ても、にこにこ笑って、水をあげています。

ちょっとして、その人間たちのために美味しい匂いのものをつくっては、運んであげます。

これはあたしのご飯じゃないの,,,,。

あーーーお腹すいた。

あたしは芝麻醤。じーまーじゃん。パパが一番愛してる毛深い娘。

三日に一度くらい来る人間も沢山いる、これらはあたしの事、大好きらしい。

あたしも好きだ、体を少しなでなでする、暖かい空気が手から伝わる。

やはり、パパは水をあげる。美味しい匂いのものを作る。

それを、人間は餃子とか、刀削麺とか、呼んでいる。

あたしの食べ物は、肉って呼んでいる。

好きだ肉、肉、肉。

あたしのいる此処は、翼餃子って、人間は呼んでいる。

この場所、お店、翼餃子と呼ばれている。


あたしは芝麻醤。人間歴で3才。もうお年頃、夫を募集中らしい。

毎日、パパと一緒。でも、種族が違う。

あたしはパパがくれる肉で生きている。

あたしは愛されている。良くわかっている。えへっ。


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