雨男とクリスマス

淺羽一

〈掌編小説〉雨男とクリスマス

 せっかくのデートだと勢い込んで花束を買っていったら、やがて待ち合わせ場所の駅前に現れた彼女は開口一番、「……私さ、花粉症だって言ってなかったっけ?」

 思いがけない反応に固まっていると、「嬉しいんだよ。誕生日に花束なんて貰ったの初めてだし、嬉しいんだけどさ。でも、もうちょっと会話とか覚えてくれてると思ってたんだけど」 明るい街灯の下で映える紅白の花弁と緑の茎は、まさしくクリスマス‐カラーで、本来であれば困惑と呆れがない交ぜになった眼差しを注がれるべき代物ではきっと無い。

「それにさ、車でもないのに、今からこれずっと持って歩くの?」

 果たして彼女のアレルギー反応が薔薇の花粉まで対象にするのかどうか定かでないものの、赤と白で十二本ずつ、彼女の誕生日に年齢、そしてイヴと、今日はこの本数しかないだろうと考えていた演出がまさかこんな展開へ転がるなんて。

 こちらと彼女の間で宙ぶらりんになっている花束は、まるでどうして俺がこんな扱いを受けなければならないんだと、愚かしくも雑誌の特集にあおられた男を非難しているようだった。

 いやいや違うんだよこれは覚えてなかったとかじゃなくてただちょっと行きがけに花屋の前を通ったらその店の前に並んでたからまぁ単なるお遊びだし一盛り上がりあれば良いなって思っただけだからさ。

「……なんか、ごめんね」

 と、一息でまくし立てて花束を引っ込めようとしたこちらよりも僅かに早く、彼女が手を伸ばしてきて、そっと花束を包むビニールに触れた。それはさながらこちらへの気遣いと言うよりも、哀れな薔薇への言葉めいていた。

 正直、柔らかそうな薄茶色の髪を肩まで伸ばし、そこから裾へと流れるように広がる純白のコートを纏った彼女が花を撫でている光景は、こちらの贔屓目などでなく本当に画になっていて、内心でやっぱり買ってきて正解だったなと、同時にもう役目は十分に果たしてくれたなと思っていた。襟元にあしらわれたコートと同色のファーが、髪の隙間からちらりと覗き、それがさらに可愛らしさをいや増していた。

 静かに花束を引き取り、とりあえずそれは無かったことにしようと決めた。心苦しいが、道すがらどこかで処分していこう。彼女は何も言わなかったが、帰る気配もなかったから、ぎりぎりセーフだったんだと納得することにした。

 午後七時過ぎの街はさすがクリスマス‐イヴと言うべき活気に溢れていた。しかも今日は金曜日。駅前広場から大通りへと続くイルミネーションは映画の一場面さながらに煌びやかで、心配していた天気も、文句なしの晴天と呼ぶにはほど遠いものだったが、雨は降っていなかった。こんな外出時に傘を持たずに来られたなんて、一体いつぶりなのだろうか。さすが、自称「晴れ女」の彼女がいるだけあると感心した。

 少なからず気まずかった空気を無理矢理に忘れて、大通りを並んで歩き出した。手の一つでもつないでみたり、肩でも組んでみたり、そんなカップル然とした姿に憧れるものの、まだ友達以上恋人未満なんて中途半端な関係に甘んじている身では、ましてや浮かれた雰囲気に乗じてはしゃげるほどの根性もない身では叶うはずもなく。辛うじて車道側を歩きながらさりげなく花束を持っていた手を彼女と反対側に変えてみたけれど、やはり二人の間には微妙な距離が空いたままだった。交差点などでは、早くも盛り上がって信号も渡らず密着しっぱなしのカップルもいるのに。

 やはり、今夜こそ決めなければならない。途中で見つけたコンビニのゴミ箱に花束を入れる瞬間、本当に強くそう思った。ちなみに、決めると言うのはあくまでも告白すると言う意味だ。

「ねぇ、何処に行くの」

 デートにはサプライズが重要なので―これも例の雑誌に載っていた―敢えて彼女に予定を告げていなかった。だから彼女の質問はもっともだろう。

 しかし、今しばらく彼女には待っていてもらいたい。今度こそ、それに見合った驚きと感動を届けられるはずなのだから。着いてからのお楽しみだよと微笑むと、彼女は「ふ~ん」と返してきた。

 それからさらに五分ほど。やがて到着したのは、道に面した二階部分が大きな一枚ガラスになっている、モダンな建築様式のレストランだった。

 カジュアル‐フレンチの店なんだけど、最近さ、流行ってるんだって。そう言って傍らを窺うと、彼女も「へぇ」と感心した風にガラス越しに見える店内の様子を眺めていた。

 よし、と心の中で拳を握った。雑誌で紹介されていた何件もの店から小一時間も掛けて選び抜いた甲斐があったようだ。

 イルミネーションに飾られた階段を上がって直接二階の入り口へ。ちなみに一階は貸し切り専用の個室になっているらしい。

 扉を開けると早速、白を基調とした内装と、仄かに漂う甘い香りに歓迎された。すでに席は七割ほどが埋まっていたが、現れた店員に予約していた名前を告げるとすんなり中へと通された。

 ジャズ風にアレンジされた定番のクリスマス‐ソングが流れる中、やがて案内された先は窓際のテーブル席でなかったものの、幾分かテーブルが広く、また掘りごたつ式になっている場所で、冷え性の彼女は喜んでくれた。

「素敵なお店だね」とテーブルの向かい側で笑う彼女。どうやら、機嫌は完全に直っているらしかった。

 クリスマス用のコースはフレンチをベースにしつつも、そんなに堅苦しい内容でなく。テーブルの上に置かれていた食器の数にも余裕があって、外側から順にナイフとフォークを使っていって……なんてマナーに頭を悩ませずとも構わないスタイルだった。フランス産ロゼのハーフ‐ボトルも、それほど飲んべえでない二人にとってちょうど良かった。

 メインである牛フィレの赤ワイン煮込みを食べ終えてから、しばらく。二人で美味しかったねなどと会話を交わしていると、突然、店内の照明が薄暗くなり、BGMも澄んだ女性ボーカルが魅力的な洋楽へと変わった。

「え、何?何?」と驚く彼女。すると、そこへ厨房の方から店員が運んできたものは……

 彼女の小さな歓声が鼓膜に届いてきた。どうやら理解してくれたらしい。店員がゆっくりと持ってくる盆の上に乗っていたものは、ろうそく代わりにパチパチと弾ける花火をあしらわれた小さめのホール‐ケーキだった。

 店員がおめでとうございますと言って、彼女の前にケーキを置く。彼女は恥ずかしがっていたものの、それ以上の感動のあまりうっすらと涙ぐんでいて、店員と一緒に拍手しながら純粋に頼んで良かったと思った。

 静かに花火が消えて、店内の照明と音楽が元へ戻る。それではカットして参りますねと、店員がいったんケーキを下げようとして、それに「お願いします」と頷く彼女は本当に可愛らしかった。

「…え?」

 だからこそ、どうして唐突に彼女の表情が凍ったのか、まるで理解出来なかった。店員も戸惑った風に動きを止めた。

「………………」

 一転して無表情になった彼女。そして、その手によって、そっとケーキが回される。〈HAPPY BIRTHDAY〉と〈MERRY CHRISTMAS〉をチョコレートで書かれたプレートが正面にやってくる。

 直後、絶句した。

「……私の名前さ、『ミキ(MIKI)』じゃなくて『イキ(IKI)』なんだけど?」

 言葉なんて出てくるはずもない。真横で聞いていた店員が即座に事態を把握したのか、大慌てで謝罪しながらケーキを引っ込めた。彼女は最早、それの行方に興味もないようだった。

 店内のエアコンが停止して、窓ガラスが消滅してしまったのではないかと錯覚するくらい、全身の肌に鳥肌が立った。なのに、そのくせ脇の下と背中からはどっと汗が噴き出している。彼女は哀れな男の言い訳を待っているのか、それとも呆れてものも言えないだけか、ひたすら無言でこちらを見つめてきている。

 視線を逸らしたら負けだ、そう直感したものの、じっとその目に耐えることは想像以上に気力を要した。早く、何でも良いから店員か誰かに来て貰いたかった。クレームなんて付けないから、とにかく一刻も早く、ここへ来て致命傷になりかねないミスへのフォローをして欲しかった。

 お、おかしいな。ちゃんと名前を伝えたんだけど。クリスマスで忙しくて、慌ててたのかな。

 苦し紛れに発した言葉に対する彼女の反応は、「……そう」 続けようとしていた言葉の全てが瞬時に凍らされて、舌に張り付いたそれらは二度と溶けてくれなかった。

 店長らしき男性が慌てた様子で現れたのは直後だった。四十代くらいだろうか、短髪が似合うイケメンは、けれど見ている方が申し訳なくなるほどの平謝りっぷりを披露してくれた。本当にすいませんでしたと、周囲の客からの視線が徐々に集まる中、すぐに作り直させて頂いております、勿論、お代は結構ですと、ひたすらに謝罪の言葉を繰り返す店長に対して、ようやくだけれど彼女も少しばかり態度を軟化させてくれて、「あの、もう良いですから。たまに間違われますし」 ただし、それは言うまでもなく社会人としての対応であって、間もなく店長が姿を消した後でこちらへと向けられた視線は、案の定、ほんのかすかにさえ温度の上がっていなさそうなものだった。

 多分、ケーキごと新しいものに替えられたのだろう。花火こそ無かったものの、プレートの名前はちゃんと書き直されていて、きっとこれが最初に登場していれば全てが上手くいっていたに違いないと確信した。残念ながら、今となっては味もろくに分からなかったが。はっきり言って、脱脂綿に木工用ボンドを絡めたものを食べていても同じに感じられそうだった。会話があった方が楽だったのか、それとも現状の方がマシだったのか、まるで判断出来なかった。

 ホールの半分を食べ終え、可哀想なくらい気を遣っている店員から残りをどうするか尋ねられたが、結局、もう結構ですと処分をお願いした。本来であれば箱に入れて持ち帰れるのだけれど、さすがにこれを持ち歩くほどの無神経さこそを持ち合わせていなかった。食後の紅茶を飲む間も、彼女は全く喋らなかった。

 レジへ向かうと、改めて店長からお代は結構ですと告げられ、さらにそれだけでなく是非とも次回にお使い下さいと割引券と無料券を渡された。口止め料という意味もあるのだろうけれど、そんなものを貰わずとも、こんな話、おいそれと他人に言えるはずがない。

 店を出ると、やっぱり外はずいぶんと冷えていて、心なしか行き交う人々の距離もより縮まっているように見えた。時刻はすでに午後九時前。ビルの隙間から覗く展望タワーが色鮮やかに輝いていて、それはあたかも仲睦まじい恋人達を誘っているみたいだった。

「あのさ」

 と、不意に彼女が足を止めた。

 黙って彼女に倣う。歩道の片隅で、互いに手を伸ばせば触れ合えそうな、言い換えれば互いが手を伸ばさないと届かない距離を空けて、やがて発せられるだろう言葉を待った。

「あなたのせいじゃないんだろうって、分かってるんだけどさ」

 気遣わしげな前置きは、逆にそこから続くであろう内容の辛辣さを物語っていた。

「何て言うか、多分、相性ってあるんだよ。ほら、この天気みたいにさ」

 苦笑じみた表情で頭上を指差す彼女。街の明かりにぼんやりと浮かび上がる、どんよりとした空模様。

「私ってさ、普段に出掛ける時とか、大体晴れなんだよね」

 単語が一つ吐き出される度に、それはさながら氷柱のごとくこちらの心へと刺さり、レストランを出たら次はどうしようなんて浮かれていた計画を端から削っていく。

 展望タワーの屋上で夜景を見て、だけどそこはどうせ人でごった返しているだろうから、その帰り道、近くの公園を横断する橋の上を並んで歩きながら、川面に反射するイルミネーションを背景に、コートのポケットに忍ばせてある小箱をそっと取り出して彼女へと差し出す。まだ本格的な交際を始める前なのにいきなり指輪は重たいから、プレゼントはオープン‐ハートのモチーフをあしらわれたピンクゴールドのイヤリングだ。ピアスじゃない。体に穴を空けることを嫌う彼女の耳は確かにとても綺麗で、食事の最中、ほんのりロゼワイン色に染まっていたそれは本当に可愛らしいものだった。

「今日はありがとう、色々と考えてくれて」

 その感謝は、まるで「ごめん」に聞こえた。

 何か言わなければならないと思った。何でも良いから間を埋めないと、次に沈黙を破るのは致命的な一言になるだろうと分かったから。

 でも、それなのに、すぐさま告げられる言葉を見つけられない。もう気取るつもりなんてさらさら無かったのに、声帯が凍りついたみたいに声が出ない。

 彼女が最後に浮かべた眼差しは、寂しさと悲しさを混ぜ合わせたようなものに感じられた。

「じゃあ、私、今日はもう帰るね」

 そう言った彼女はもう一度「今日はありがとう」と言って、こちらへくるりと背中を向けた。柔らかい髪もコートの裾もほとんど揺らさずに。道の脇でチカチカと点滅する歩行者用の信号が、うっすらとその姿を染めていた。

 待ってくれ、大好きだ、付き合って欲しい。そう叫びたかった。公衆の面前であることに気後れなんてしていなかった。いっそ、そこら中の人間にまで聞こえるように大声で伝えたかった。

 出来ないのは、単に勇気が足りなかっただけだ。

 心の中で、彼女の言葉に反発する気持ちと、確かにその通りだと納得してしまう弱さがあった。晴れ女と、雨男。実際、自分が本当にどこからともなく雨を呼ぶ特殊体質を持った人間だなんて思いはしない。だけど、特別な日とか、ふと出掛けようとした時に限っていつもいつも雨に見舞われるのも確かで。要するに、ついていないのだ。現に、そうだからこそ今だってこんな風になっている。

 勿論、言い訳だ。そんなことは重々承知している。でも、分かっていても、一歩が出ない。声を上げられない。

 ゆっくりと、けれど立ち止まることなく、愛しい背中が離れていく。今、彼女はどんな表情をしているのだろう。もしも、それはある意味で自惚れなのかも知れないけれど、それでも万が一、その頬を濡らしているのなら。だとすれば、やはり自分は最低の雨男だ。

 と、その時だった。不意に、頬に冷たい感触があった。悲しいかな、それは慣れた感覚だった。

 まさか、本当に雨が降ってきたのか。驚いたり嘆いたりするよりも、むしろ馬鹿馬鹿しい気分で天を仰いだ。

 果たして、空からはちらほらと雨粒が落ちてきていた。

 ……いや、違う。だって、雨粒はあんなにもはっきりと目に見えたりしない。

 気付いた瞬間、駆け出していた。声は自然と生まれていた。雪だよ、と。

 初めて掴んだ肩の形は、コート越しにも分かるくらい華奢なものだった。

 振り向いてくれた彼女は泣いていなかった。言うまでもなく晴れ晴れとした表情ではなかったものの、涙の跡は見られなかった。その事実に、むしろこちらが泣きそうになった。

 突然の出来事に怪訝そうな眼差しを向けてくる彼女に対して、改めて言った。ほら、雪だよ、と。

 すると、ようやく彼女も意味を理解してくれたのか、空を見上げて、「…あ、本当だ」

 直後、そこかしこから同じように、思いがけない自然の演出に感動する声が届いてくる。ホワイトクリスマスなんて、一体いつぶりだろう。雪はもう誰の目にも明らかに降っていた。

 好きなんだ。

 告白していると自覚したのは、それを全て言い終えてからだった。あまりと言えば唐突な言葉に、彼女は束の間、唖然としていたが、おそらくこちらも似たような様子だったのだろう。その証拠に、やがて発せられた「何、その顔」は、呆れ半分の響きをしていた。ただしもう半分は―都合の良い錯覚でなければ―笑みだった。

 あのさ、と言いながら、ハッとした。ポケットを探ろうにも、そちら側の手は未だに彼女の肩へ触れている。と言うよりも、離すタイミングを逸していた。彼女は彼女で、ちらりとそれを一瞥したものの、何も言わずに、それどころかこちらの真意を窺う風にじっと待っている。

 どうしようと迷ったのは短時間で、ここまで来たらもう突っ走るしかないと覚悟を決めた。我ながら情けない話だが、足りない勇気は勢いで補った。彼女の肩を掴む手に、ぐっと力を込めた。

 好きなんだ、ずっと前から。

 彼女は何も言わない。でも、関係ない。

 それに、渡したかったプレゼントもあるんだ。

 体を器用にひねって、反対側の手でポケットからそれを取りだした。赤い包装紙を飾るピンクのリボンは、ずっとしまわれていたせいか癖が付いたみたいに端がちょっとだけ丸まっていた。

 お誕生日、おめでとう。それから、メリークリスマス。

 彼女はプレゼントを見ない。だからこちらもその視線から目を逸らさなかった。

 ややあって、「……開けてもいいかしら」と口を開いたのは彼女だった。淡々とした口調であったものの、嬉しくて嬉しくて。勿論、どうぞと頷いた。

「これって……」

 今度こそ、彼女の声の響きが変わった。「もしかして、覚えてくれてたんだ」

 素直に首肯した。それは、以前に彼女との会話の中で出てきたブランドのものだった。密かにメモしておいたブランド名を雑誌上で見つけた時は、もうこれしかないと確信した。

「着けてくれる?」

 彼女が手の平にイヤリングを載せたまま、もう片方の手で髪を持ち上げる。現れた耳は寒さのせいかほんのり色づいていて、肩から手を離す名残惜しさもその愛らしさには敵わなかった。

 数十秒後、「……ふ~ん。慣れてるんだ」と、片耳を終えた時点で発せられた声は、心なしか冷たかったものの、その表情はずいぶんと親しげなものだったから。まぁね、としれっと応えつつ、安物のイヤリングを買って何度も自分の耳で練習した事実はこのまま墓場まで持っていこうと決めた。

 …とまぁ、そんなこんなで、色々と問題のあったクリスマスも、最終的には当初の予定通りの、いや、理想通りの結末を迎えられた。

 ちなみに、これは後で知った事実だが、この地域でのホワイトクリスマスは何と六年ぶりの現象であったらしい。「雨男がクリスマスに出掛けると雪が降るんだね」 そんなジンクスが本当にあるかどうかは疑わしいけれど、彼女の言葉のおかげで以前よりもずいぶんと自分を好きになれたのもまた事実だったから、やはり二人の相性は良い方なんだろう。

 晴れ女と、雨男。デートはいつも曇り空……なんて心配も杞憂で、むしろ一緒に出掛ける時は大抵の場合、晴れているのだから面白い。多分、普段の力関係がそのまま影響しているのだ。そしてまたそれで良いのだと思っている、一年でたった一日、特別な日を除いたら。

 今年もまた、きっとホワイトクリスマス。今度のプレゼントは、堂々と指輪を贈ろうと決めている。

〈了〉

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雨男とクリスマス 淺羽一 @Kotoba-Asobi_Com

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