朝起きたら飼っていたカエルが、とんでもなく可愛くてぬめぬめになってたから、彼女にしようと思う。

詩亜/犬職人

第1話 預かり物

モリアオガエル。学名Rhacophorus arboreus。


友人が飼っていたのだが、ヤツにはもったいないくらいかわいいのだ。見た感じメスっぽい上に、体色がとてもキレイでいかに大切に育てられてきたか分かる。


「名前・・・・とかあんのか?」


そうだった名前聴くの忘れてたわ。

取り敢えず名前が無いのもかわいそうなので、ここはひとつ、


「よしっ!今日からお前は『レポ』だっ!」


学名Rhacophorus arboreusの前の部分を適当に切ってはっつけただけの名前だったが、この名前で呼ぶのはヤツに返す前までの時間だけだ。


「よーし、レポ。お前に餌をやろう!」


餌袋から取り出したのは、『カエルさんのエサ!ニオイがきつくならない!』。ドッグフードみたいなヤツで、なかなか高い。マ●クの最高級メニューを頼むよりサイフが荒れるが、もう一度言おう。


「俺は好きだっ!両生類がっ!この俺の前で誰だろうと『両生類が

好きじゃねぇ』とか言わせやしない!」


そのためなら、俺はどんな出費も厭わないっ!


「寝るか」


程よい眠気が襲ってきて、気付くとすでに眠っていた。


て・・・。おきて・・・。


ん?何だよ・・・・。今日は日曜だぞ?何で学校なんかに・・・・。


ぬるり


ぬるり?何で・・・?何だよぬるりって・・・・。


ぬるり?ぬるり!?


「ほわぁああああ!」


「きゃんっ!」


きゃんっ!?何だと!?


女の子なんていないはず・・・。


「おめざめ、でしゅか?」


ぬめぬめ、つるつる。そして、明るい緑の肌。深緑の髪。


ちょっと大きめな胸。


飴色の瞳。


「誰?」


言おう俺は決して寝惚けてなかったと。

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朝起きたら飼っていたカエルが、とんでもなく可愛くてぬめぬめになってたから、彼女にしようと思う。 詩亜/犬職人 @OOTAWA452

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