我は盗賊、汝(うぬ)が誇りを掠めとらん
建物の
だが、石の壁がどれだけ厚かろうと、隙間風を防ぐことはできねえ。
それは何処からともなく入り込んで、すべてのやつを体の芯から氷らせてくのさ。
その隙間風みたく死は砦に入り込んだ。
ふと、見張りのオークが身震いする。
首のなくなった体がぐらりと傾き、静かに蠢く靄のような影に呑まれた。
錠や
女は裸の恰好で土牢に囚われている。
鎧も剣も剥がれて枷と鎖に繋がれ、糞小便を垂れ流すしかねえ。
でっけえ
女はみっともねえアヘ顔でよがり声を上げ、卑猥な言葉を喉を嗄らすほど喚いている。
王の赤い眼は吸血鬼と同じように魅了の魔眼だろう。
女は孕んでいる。垢まみれの腹が
胸も膨らんで
脇毛も下毛も
汚れた白金の髪は灰色とも茶色ともつかず、薄く
その上に豚頭の首が落ちて転がった。
女の中で果てた
女の表情が空ろになった。
声をかけても反応がない。
短刀の刃で頬をぴたぴた叩いてやる。
徐々に
女が俺をみた。
「……くっ、殺せ」
女は顔をそむける。
「おいおい、それをいう相手はこれだろ」
俺は豚の頭を蹴った。
女は口惜しそうに下唇を噛む。
そそられる表情だぜ。
「それがおのぞみなら、そうしてやらんでもねえがよ。おめえの本当の望みはなんなんだ、女騎士さん」
その耳へ底意地悪く囁いた。
飢え
「……だ、抱いてください。私を抱いてくださいませ、ご主人様」
盗賊さんは女騎士(くっころ)さんにくっころいわせる 壺中天 @kotyuuten
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