このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(220文字)
才能という誰もが欲しがり、そして誰もを縛るものに心を揺らす二人のピアニストが、自分が決めた道を歩んでいく物語です。きっと誰もが経験したことがある羨望、諦観、嫉妬。未来への不安や疑問、息苦しさ。クラシック音楽に縁取られたそんな暗がりの中で見つけた答えが、アンコールでの二人に繋がっている。もがく子供時代を読んだ後の、自分の道をしっかりと歩んでいる彼らの恋物語も注目です。 才能があるとかないとか、関係ない。この作品は、そんな諦められないものがある人の応援歌かもしれません。