合成音声を題材にした作品で、非常によくまとまったそんなに遠くない未来にありうるかもしれないお話。現実と地続きなエンドがなかなかの後味を遺してくれました。 私はある種、“死んだあとHDDの中身を他人に見られても構わない”ような外れた人間なのですが、それでも共感や同情してしまう普遍的なものがこの作品にはあります。大切なものの保管場所のような、心の在処のような、そんな情緒に問いかける素敵なお話でした。興味がありましたら、ぜひご一読ください。
なんか海外物の翻訳っぽいなーと思って読んでましたが、ブラッドベリ的な文体にちょこっと藤子不二雄的な皮肉も効いていてクスッとしてしまいました。アイルランド絡みのディティールも作品の彩りとして良かったです。こんなのがたくさん入ってる赤坂短編集が書店に並ぶ日をお待ちしてますね!