第6話落し物

(6)


それから僕は静かに眠った。


彼女は僕が取ってきた花を結んでベッドにしてくれた。


輪廻転生という言葉を聞いたことがある。

死んだ者は別の命を持って生まれ変わるのだと。


僕は何になるのだろうか。

花か?それとも鳥の餌か?

それとも……。


いいや、この世の中の生は無限にある。

その中のたった一つ。それも彼女傍になんて。


でも、叶うことなら……。

僕の最初で最後のお願いです。

どうか生まれ変わったら、また彼女と出会うことが出来ますように。



ーーー



今日の天気は晴れ。


は~あ。

今日も退屈だ。

何か楽しいことないかな。


眩い光を細めで眺めながらそんなことを考えていた。

嫌でも目に入る街の人々は、疲れきった様子で道を歩いている。


この人たちに比べたらまだマシかな。


は~あ。


あっ。


落としてしまった。


拾わなくては。


落としたものを拾おうとすると、辺りが急に暗闇に包まれた。


何事だ!?


僕が顔を上げると、そこには超絶可愛い女の子がいた。


僕は目の前に落ちている食べ物を見て察した。そして、何か絶対に言わなければならないセリフがあったような気がした。


思い出したわけじゃない。

咄嗟にその言葉が出たんだ。


「あーあ。貴方も落としてしまったんですか?ははっ。奪おうなんて思わないから大丈夫ですよ」


僕は彼女と仲良くなった。

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