終章
終章
翌日。
聡美は激しい足の激痛で目が覚める。傷は、暗紫色に腫れていた。
調理係「聡美ちゃん、朝ご飯の時間よ。」
聡美「はい、」
と言おうとしたが、何かおかしい。
調理係「どうしたの?」
聡美「いえ、、、。」
重くなった体を無理やり奮い立たせて聡美は食堂に行った。足も痛いが、ひどく肩が凝った。
やっとこさで食堂にたどり着いて、食事を受け取り、いつも通り、テーブルに座った。清はそこにいなかった。誰も聡美に話しかけようとする者はなかった。
聡美「いただきます、、、。」
と、箸を取り、ご飯を口に入れようとしたが、口が開かない。なぜだと考えてもわからない。無理やり口に押し込むと、かむこともできず、飲むこともできなくて、吐き出してしまった。
聡美「あ、あれ、、、?」
と、周りを見まわそうとしたができない。首が回らないのだ。
調理係「聡美ちゃん、病院行って来たら?もしかしたら、破傷風にかかったのかもしれないよ。」
聡美「なんですかそれは?」
調理係「ほら、昨日たまにかまれたでしょう?ほかの人にも迷惑かけちゃうから、早くいってきて。」
聡美「ど、ど、どこにあるんですか、、、?」
言葉を話すのも、非常に難しくなってきた。
調理係「ここから出て、五分くらい歩いたところ。」
聡美「じゃ、じゃ、じゃあ、私行ってきます、、、。ち、地図を、、、。」
調理係「書かなくてもわかるわよ。ここを出て、左に曲がって、まっすぐ行ってしまえば。
どんな人でも、まよったことはないわ。」
聡美「わかりました、、、。」
と、立ち上がろうとしたが、背中が後ろに引っ張られているようで、尻もちをついた。
調理係「しっかり!」
何とか立ち上がる聡美。しかし、周りの者は、何も言わず、ただ黙々と朝食を食べている。
聡美「行ってきます、、、。」
と立ち上がって、壁につかまって伝い歩きをし、桜の間に戻って、カバンを取り、伝い歩きしながら玄関まで移動し、何とかして玄関を出て行った。
道路を歩き始めると、足もうまく動かなくなってきた。確かに病院の看板は、すぐ近くの電信柱に貼られていて、「この先左折後、100メートル」と書いてあったから、すぐに行ける場所だ。その通り左折してみると、医療法人名などはわからなかったが、病院の二文字は、はっきり見えた。聡美は、それに向かって歩き出したが、その距離はあまりにも遠く、赤道まで歩いていくようなものだった。何よりも、背中が後ろに引っ張られ、歩くのが難しいのだ。
急に苦しくなってきた。座り込んで、というより、後ろに倒れたというのが正確ないい方か。
声「あ、人が、人が、倒れてる!」
声「どうしたの杉ちゃん、、、。」
声は聞こえてきたものの、あまりにも全身が痛くて、聡美は返事すらすることができなかった。やがて全身が、万力で挟まれたように固くなっていき、聡美はわからなくなった。
ぼんやりとした世界の中、誰かの声が聞こえる。集中治療室とか、点滴とか、誰かが叫んでいるこえがする。
声「蘭、この人は助かるの?」
声「僕も知らないよ。破傷風なんて、最近ではめったに見られない感染症だとおもったんだけどねえ、、、。」
私は、とうとうここで死ぬのか、、、。うれしい気持ちもあったけど、何か悔しかった。
声「大丈夫だよ。杉ちゃん。幸い今は、抗生物質があるんだから。そんなに恐れる必要もない。彼女も、抗生物質がよく効いてくれたようで、そのうち目を覚ますよ。」
声「そうか、、、。よかった。」
声「杉ちゃんはなぜ、他人のことであっても、そうやって、家族のことみたいに喜ぶのだろう。」
声「誰でも大切な人だからだよ!」
誰でも大切な人、、、こんな自分を、大切な人と言ってくれる人物はいたのだろうか。と、いうことは、つまり、自分は天界に到達したということか。
聡美「わたし、、、。」
医師「お、声が出たぞ。うん、大丈夫だ。もう、回復するよ。」
気が付くと、自分は病院のベッドの上だった。部屋は薄暗かった。隣には、医者と看護師が立っている。
聡美「私、どうしたんですか?」
医師「ああ、病院の近くの道路に倒れていたところを、彼が発見してくれて、ここへ連れてきてくれたんだ。」
聡美「私が、、、?」
医師「ああ、足の咬創から破傷風に感染したんだね。でも、もう安心しなさい。幸い、抗生物質と、免疫グロブリンがよく効いたからもう大丈夫だよ。」
看護師「彼が、見つけてくれなかったら、大変なことになってたかもしれないわよ。破傷風って怖いんだから。ちゃんと、杉ちゃんに感謝することね。」
聡美「杉ちゃんって誰ですか?」
医師「この人だよ。」
と、病室のドアを開ける。ドアのすぐ外にいた杉三が、顔中を涙で濡らして入ってきて、
杉三「よかったね!本当によかったね!戻ってきてくれて、本当によかったよ!まだ逝ったら嫌だもの!」
蘭「杉ちゃん、そんなに興奮しないの。まだ、意識が戻ったばかりなんだから。」
杉三「うん、、、。ごめん。」
聡美「私の事を、そんなに見ていてくれたんですか?」
杉三「当り前だ!道路に倒れていた時、全身がけいれんしていて、まるで新体操でもしてるんじゃないかと思われるほど、体が反ってた。そんな人を、どうして放置しておけるんだ。もし、それができるのなら、よっぽどの悪人じゃなければできないよ。僕は馬鹿だけど、それくらいは知っているよ。」
聡美「私はその悪人です。」
杉三「なんで?病気にかかる人に、悪い人はいないよ。」
聡美「私は、天罰として破傷風にかかったと思うんです。だって、水穂さんが、あれだけ苦しんでいた時に、放置してしまったんですから。それをたまは犬だけど知っていて、私を噛んで破傷風に、、、。」
蘭「水穂さん?」
杉三「もしかして、青柳教授の製鉄所の人?」
聡美「そうですけど、それが何か、、、?」
杉三「そうなんだ!僕たち、青柳教授の知り合いなんだ!」
聡美「そ、そんな、、、。」
杉三「天罰が下ったというか、それよりも一番大きな教訓を学ぶために破傷風になったんじゃないですか。」
聡美「私、死んだほうがよかった。水穂さんとおなじ苦しみを味わったほうがよかった!」
杉三「いやいや、そんなことはありません。誰だって失敗はあります。大事なことはね、そこから何かを学んでくることなんです。それに気づけないで、死ぬほうがよっぽどよくない。
それは免れたんだから、まだ可能性はあるんじゃないですか。こっちへ戻ってこれたということは、きっと、何かやり残したことがあって、それをやらなきゃいけないから、戻ってきたということもあるんじゃないかと思います。」
蘭「僕が、青柳教授に連絡しておきます。教授も、心配していると思いますから。何があったかわからないけど、しばらく休んで、水穂にも、ちゃんと、謝罪をしてください。」
聡美「はい、、、。わかりました、、、。」
と、片腕で涙をぬぐう。もう、あの時のような強烈な痛みはない。それを感じて、聡美はまた、泣きだしてしまった。
声「聡美ちゃん!大丈夫?」
声「こちらも、驚いていたところでした。」
と、やってきたのは、調理係と、懍、そして清だった。懍は清に車いすを押してもらっていた。
杉三「あ、青柳教授。」
懍「いてもたってもいられなくて、電話をもらったら直ちに来てしまいました。破傷風というのは、怖い疾患ですからね。僕も、海外に行ったときにかかったことがあったけど、本当に苦しかったですからね。」
調理係「ごめんなさいね。私、てっきり軽いもんだと思って、一人で病院まで行かせちゃって。教授から、かかったときの話を聞いて、もう、びっくりして、パニックになっちゃったのよ。苦しかったでしょ?本当は、救急車呼んであげるべきだったわね。ごめんなさい。」
清「まあ、幸い破傷風も、抗生物質があるから、こうして戻ってくることができるようになったけど、苦しかっただろ?それはね、違う病名であっても、水穂さんも同じだったと思うよ。君もまだ病み上がりでそれどころではないかもしれないが、よく反省してほしいな。」
それを聞いて、聡美ははっとする。
聡美「水穂さん、水穂さんは?」
清「いや、布団で静かに寝ているよ。」
聡美「私、なんてことをしてしまったんでしょう。」
清「まあまあ落ち着いて。だから、全世界を憎んじゃいけないよ。こうして、助けてくれる人がいたんだし。それに対して感謝の気持ちを持たなくちゃ。」
聡美「私、本当に、全否定ばかりされる人生しか送らなかったから、、、。若いってのは、損だとしか思えなかったんです。私が、学校へ行けなくなって、家族が私のことを何もしてくれなくなって。今まで学校で全否定ばかりされてきて、その理由を聞こうと思えば、自分でやれしか言われなくて、もう私なんかいらないんだっていう、怒りの言葉しか浮かばなくて。
だから、まわりの人に、何かしても、どうせお礼も感謝も何ももらうことはできないだろうって、思ってたから、もう、助けようとも思えなかったんです。」
清「確かにそうかもしれないね。学校というところは、一部のひとにとってはとても楽しいところなのかもしれないが、そうでない人には本当につらい環境だからね。でも、それを他人に当たり散らすのはいけない。もし、学校がつらくてやめるなら、堂々とそれを隠さないで語ってもいい時代なんだよ。だって、夏休み明けに自殺してしまう子供がなんと多いことか。君は、学校のつらさを知っているのだから、今度はそれを分けてあげる人になってほしいな。これからも、学校のつらさのせいで、一番大事なものを落とす人が、後を絶たなくなるだろうから。それに、君は歌の才能もあるよ。あの赤とんぼの歌を聞いて、癒された人は多いと思うよ。どこかで赤とんぼの歌を聞かせてあげられたらいいよね。」
聡美「でもなんの役にも立たないって、学校で言われました。音楽なんて、どうせ何も役に立たないから、さっさと死んでしまえって。」
清「全く、今時の学校は変なことばかり言うものだね。本来なら、それは気にしないで、自分の道を行ってしまうべきなんだけどね。でも、君の赤とんぼの歌は、そこらへんで歌っている、へたくそな歌手よりずっとうまいと思うよ。私がもし、教師としてまだ活動していたら、赤とんぼの歌をもっと歌ってほしいというだろう。だって、本来教師というものは、生徒が目指すものを応援するのが役目で、全否定なんてするべきじゃないんだからね。残念なことに、もうこの年なので、教師として戻ることはできないけど、年長者として言わせてもらえば、自分のやらずにはいられないことは、もっともっと極めていったほうが、より充実した人生になれる。それは、若いときに気が付いていないと、大変なことになる。それは忘れないでいてほしいな。まあ、今は、年寄りは、粗大ごみのように扱われてしまう時代なので、こういうことは、いいたくても言えない時代になってしまったのが、本当に悲しいな、、、。」
聡美「私は逆に、若い人っていらないものだと思ってた。若い人こそ粗大ゴミだと思ってました。これほど、全否定、全否定、全否定が続いているのでは、もう、死んだほうがいいんだって。」
杉三「なんだ、若い人も年寄りも、結局同じことを考えているじゃないか。」
蘭「まあね。日本では、お金を作れる人にばっかり目が行きますからね。それは悲しいことなのかもしれませんね。本当は、この二人がもうちょっと本領発揮してくれれば、また違う未来が見えてくると思うんですけど。」
懍「秋にね。」
不意に懍がそういった。
懍「製鉄所で音楽会があるんです。音楽に秀でている寮生は多いですから。先ほど蘭さんが言っていたように、本領発揮する場所が年々減少していますからね。それではまずいから、僕らも提供してあげなければなりません。清さんもアパラチアンワルツを弾いてみたらいかがですか?」
清「とんでもない!もう、あの曲は弾けません。だって私は、教師としては失格だったんだ。そんなものがのこのこと自分の音楽を聞いてくれといえるはずもないでしょう。」
杉三「そうかな。僕はそうは思わないけどな。」
清「だって、私は、右城君、いや、磯野君でさえも、、、。」
杉三「またそんなこと言ってる。清さんは、確かに失敗したのかもしれません。でも、今、目の前にいる小川聡美さんを、教化することはできたじゃないですか。過去のことじゃなくて、今いることに気が付いてよ!」
清「そんなこと、、、。」
調理係「私からもお願いします。清さんは、私たちがどうやってこれからやっていけばいいのか、ちゃんと知ってます。」
清「知っているって何を?」
聡美「君は学校のつらさを知っている、それを分けてあげられる人になってほしいって。」
清は周りを見渡す。周りの人たちは皆笑顔で、誰も全否定などする人はいない。
清「わかりました、、、。」
数日後、聡美は、車いすに乗って、製鉄所に戻ってくる。恐る恐る、入り口を開けると、寮生たちが、製鉄をしている音が聞こえてくる。
聡美「ただいま戻りました、、、。」
寮生A「おかえり!」
寮生B「帰ってきたんだね!大変な病気になったというから、もう帰ってこれないかとおもったが、本当によかったよ!」
寮生C「また、いい歌を聞かせてくれよ!」
聡美「本当にすみませんでした。ごめんなさい!」
水穂「聡美さん。」
聡美「水穂さん!本当にごめんなさい!申し訳ありませんでした!」
水穂「いいんですよ。聡美さんが何かを学んでくれれば。」
聡美「この足がその証拠です。」
彼女は、破傷風の後遺症で、もう歩けなくなってしまったのだった。
水穂「さあ、聡美さんを部屋へ連れて行ってあげて。」
寮生A「わかりました。」
と、彼女の車いすをおして、静かに桜の間へ連れていく。
水穂「泣いてはだめですよ。」
聡美「す、すみません!」
手拭いで涙を拭きとるが、それでも涙は止まらなかった。
そして
音楽会当日。
水穂が、ピアノの前に座り、清は、緊張した面持ちで、バイオリンをもってピアノの前に立つ。
水穂「じゃあ、行きますか。」
清「お願いします。」
清は、バイオリンを弾き始める。
オコナーの、アパラチアンワルツ。その望郷的な旋律は、聞く人の心を打つ。
水穂は、静かにピアノを弾く。バイオリンと協和した美しい音。静かに、でもどこか感傷的に、、、。時の流れを読んだような、人生とは、このようなものだと聞かせているような、そんな音、、、。
杉三も蘭も、懍も、他の寮生たちも批判せず、静かに聞いている。
演奏が終わると、会場が割れんばかりの大拍手が起きる。
すると、杉三が調理係に目配せする。
調理係「わかりました。」
と、聡美の車いすを押して、水穂の前に連れていく。
聡美「な、なにをするんです!」
杉三「いいからいいから。」
と、再び会場で拍手。
杉三「水穂さん、清さん、お願い!」
水穂「わかったよ。」
と、赤とんぼを弾き始める。
清「歌ってごらん。」
聡美「わ、わかりました、、、。」
恐る恐る歌い始める。
聡美「夕焼け小焼けの赤トンボ、
負われてみたのはいつの日か。」
清は、即興でオブリガードを弾き始める。
聡美「山の畑の桑の実を、
こかごに積んだは幻か。」
水穂は間奏を弾く。
聡美「十五でねえやは嫁に行き、
お里の便りも絶え果てた。」
水穂「頑張れ。」
しっかり頷いて聡美は歌いだす。
聡美「夕焼け小焼けの赤とんぼ、
止まっているよ、竿の先。
止まっているよ、竿の先。」
水穂が後奏を弾いて、赤とんぼの歌は終わる。
と、清が弾いたとき以上に大拍手が起きる。
水穂「見てごらん。」
聡美が、客席のほうを見ると、誰一人批判的な顔をしているものはおらず、感動して手をたたいているのだった。
聡美「ありがとうございました!」
拍手はさらに大きく強くなる。
清「君は、これだけの人を、感動させることができた。どうだ、もう全否定なんてされないじゃないか。」
聡美「でも、私、、、。」
清「でもじゃないよ。周りを見てみなさい。周りの人たちの顔や、手を。」
聡美「私、、、。」
涙があふれてきて、、、。
拍手は一層強くなる。
調理係「よかったね、聡美ちゃん!あたしも、ここに雇われて間もないけど、人生まだまだこれからだと思っているのよ。だから聡美ちゃんもそれでいなくちゃ。」
懍「どうですか、これを機に、音楽を学んでみてはいかがですか?」
聡美「む、無理ですよ。だって、破傷風の後遺症で歩けなくなってしまいましたし、私は、売られた身ですから、、、。」
懍「いやいや、あなたが進路を決めてくれたら、ご両親も喜ばれるんじゃないですか。」
聡美「でも私、それよりも謝罪して、償わなければ、、、。」
水穂「いきてることが、すべての償いになるんじゃないかな。」
寮生A「聡美さん、俺も賛成だよ。聡美さんの声って、綺麗だもん。」
寮生B「俺たちの姉こもさよりも、よっぽどいいぜ。」
女性寮生A「もっとうまくなって、私たちに歌を聞かせてちょうだいよ。」
女性寮生B「それにここは、いずれは出て行かなきゃいけないのよ。嫌でも、親御さんのところに戻らなくちゃ。聡美さんには、音楽学校に行く事が出るきっかけなんじゃないかな。」
杉三「わかっただろ、素晴らしい才能があるんだよ!それを生かさないで何になる。それじゃあ、宝の持ち腐れだ。」
蘭「大丈夫です。歩けなくたって、歌は歌えます。合唱団にも、車いすの人が入っているそうですし。」
聡美「わかりました、私、音楽学校目指します。皆さんが、こうして励ましてくれるのですから、、、。」
杉三「答えは、もう、出ているの。ただ、捕まえてないだけ。それを捕まえられるか、できないかは、君次第で、他の人がどうのこうのということでもないので。」
懍「たまにはいいこと言うんですね。杉三さんは。」
聡美「わかりました、ありがとうございます!」
数日後。
聡美は、桜の間をきれいに掃除し、荷物をまとめる。
外に車の音。彼女の両親が迎えに来たのだ。車いす対応の、ワンボックスカーが、製鉄所の前で止まる。
水穂「来ましたよ、聡美さん。」
聡美「ありがとうございます。水穂さん、本当にご迷惑をおかけしました。」
水穂「いいえ、良い教材になれたなら、本望です。」
聡美「私、ここでの御恩は一生忘れません。ありがとうございました!」
水穂「大したことないけどね。」
懍「聡美さん、ご両親が見えましたよ。」
緊張した面持ちで、彼女の両親が立っている。聡美は、にっこりと笑いかけ、
聡美「ただいま。本当にごめんなさい。馬鹿な娘ですけど、これからもよろしくお願いします。」
二人とも、ぎこちないが、笑顔を浮かべる。父親が、彼女を車いすごとワゴン車に乗せ、
母親「どうもありがとうございました。」
と、敬礼して、車に乗り込む。
走り去っていく車を見て、水穂と懍は、ため息をついたが、かおを見合わせ、笑うのであった。
杉三中編 アパラチアンワルツ 増田朋美 @masubuchi4996
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