描写のコツ
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「描写とは、想像力を促す文である。黒塗りにされることで淫猥を妄想し、モザイクにされることで目を細めて脳内補完し、光を入れられることで神秘を夢見る。描写のコツも同じで『チラ見せの美学』だ。なんでもモロ出しにすれば良いというものではないのである」
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■解説
この格言は、黒塗りやモザイクなどの情報が詰めこまれていてわかりにくくなっているが、要約すると最初のセンテンスにある「描写のコツは、読者に状況を説明することではなく、想像させることである」ということだろう。
このことに関して、彼は弟子(アーダルトより先に童貞を捨てたために破門)に以下のように語っている。
「それが想像を促すためのものではないなら、指の動きの一つ一つまで細かく書く必要はない。たとえば、ディープキッスしている時の舌の動きを『右回転した後、左回転した』と書いても、読んでいる方は興奮できないだろう。細かければ良いというわけではない。省くところは省く方が想像がはかどる」
「『彼は悲しかった』と直接表現では、読者はどのように悲しかったのか想像できない。たとえば、情事の後に『ああ、気持ちよかった』では台なしである。そこはピンクの頬や汗ばんだ体で高揚感などを描く必要があるだろう。どうせ台詞にするなら、『○ン○いい!』ぐらい言わすべきだ」
「与えたい映像に対する必要情報――いつ、どこで、何人いて等――がそろっていなければ、読者はその映像を想像できない。たとえば、モザイクをかけるにしても局部だけではなく、その周辺に大きくかけてしまっては、腰の動きさえよくわからずに想像の妨げになるだろう。必要な情報にモザイクをかけるな」
つまり「チラ見せの美学」とは、適度な度合いの見せ方ということかもしれない。
それにより、本当に伝えたい部分を想像で伝える手法と言える。
ちなみにアーダルトは、この格言と同時に「裏を見る前に、表で想像力を鍛えるべきだ。しかし、最後はモロ出しに限る」と語っている。これがなにを意味しているのかは、文学者たちの間でも意見が分かれている。
※描写のまじめな話はこちらで。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880908919/episodes/1177354054881057709
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自殺するために異世界旅行会社を訪れた女性。
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