【第5話】捜索中に…

館の捜索担当は神雫、東雲さん、そして僕の3人が担当することになった。


僕と神雫はこの館を捜索したい気持ちから部屋を出ることに。東雲さんは、僕達に何か起こった時の為のボディーガードとして来てくれた。


少し廊下を歩いていると、メインホールと書かれた場所に着いた。


「それにしてもこの館広すぎるだろ。もう1つのチームの部屋って一体どこにあるんだ?」


「どうやらここが館の中央部分と思われますので、後半分くらいでしょうか?」

東雲が地図を見て言った。


「おいおい、まじかよー!こんなことなら部屋に残っていれば良かったな…。」


神雫は疲れた顔をしながら、落ち込んでいる。


「少しここで休憩でもしましょうか?」

僕は聞いてみた。


「そうですね、彼がこの調子ですし…、少し休んでから目的地へ向かいましょう。」

東雲は考えながら言った。


「やったぜ!!」

神雫は喜んでいた。



10分くらいだろうか、休憩しているとそこへ見知らぬ3人の人が現れた。


「貴方たちは…?」

東雲が僕達を守るように前にたって質問をした。


「警戒しないで。私はレッドチームの西条さいじょう 香澄かすみ。この館の捜索をしに来たの。」


「レッドチームってことは、まさか!」

神雫が言った。


「もしかして、貴方達はブルーチームの人?どうやら私達と同じ目的だったみたいね。」


「そうなんだよ!俺達もこの館の捜索をしていてさ!それで、そっちのチームの部屋にも行こうと思っていたんだぜ!」

神雫は興奮している。


「なるほど、それなら話が早いわ。」


「そうだろ!さぁ、一緒にここから出る方法を考えようぜ!」

神雫は提案をした。


ところが、西条の表情が変わった。

「どうやら私達の目的とは少し異なっていたみたいね…」


「えっ…?」

神雫は驚いている。


「確かにここからの脱出は同じよ。でも残念ながら『一緒に』なんて考えていないわ。それにここから出られるのは最大でも6人なのよ?」


「だからこそだよ!殺し合わなくて脱出する方法を考えるんだ!」


「そんなことができたら夢のようだわ。でもね、これはゲームなの。だから私達は、ブルーチームを全滅させる。」

西条は呆れた顔で言った。


「おいおい、嘘だろ…?」


「残念ながら嘘なんかじゃないわ。」


僕達は驚きにあまりに声がでなかった。


「あと、敵チームの部屋がある別館には入れないみたいだから。少しでも入ろうと試みると酷い目に合うそうよ。」


どうしてそんなことを知っているんだ…?


「まぁ、今回は特別に見逃してあげるわ。でも、次にあったときは…」


その後に聞いた言葉は恐ろしかった。


彼女らは戻っていくように立ち去っていった。


「このことをすぐに報告しなければ…」

東雲は冷静そうに見えて焦っていた。


「でもこんなことあの子の前で言えないだろ!」

神雫が言った。


あの子…、栞のことだ。


「とりあえず、一度部屋に戻りましょう…」

僕は言った。

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