第5話

同居


私は古い一軒家に私と猫1匹で住んでいます。

普段は一階で過ごし、寝る時と洗濯をする時は二階を使っています。

二階にはクーラーがついておらず、夏は暑いので窓とドアを全開にして扇風機で過ごしていました。

真夏日だった日は夜になっても二階の熱気は取れずとても寝苦しくて扇風機も役に立ちません。


それでも二階で寝るのは、夜になると必ず音がするからです。


私が電気を消し眠りにつく頃になると一階でカタ、、ゴト…と物音が鳴り出します。

はじめは古い家だから軋んでいるのかも、と思っていました。

しかし、それは必ず二階の電気を消してから始まるのです。


ネズミなら猫が反応するはずだし、物がかじられたりした事もないのです。


何か怖いものだったらどうしよう…

不安や恐怖が膨れあがるのを抑えられなくて音楽を聴きながら寝たりと工夫をしていました。


ある夜、いつもより大きい音がして猫がイタズラしてるのかと部屋を見回すと私の横で猫が鳴きました。

そして階段の下でカタ…と音がして怖くて電気を点けてしばらく過ごしました。




数日後、母に会う機会があり何かいるのかと聞いてみました。


私の母と兄は霊感があり見えてしまうのです。

幸か不幸か私にはそれは備わっていません。

今の私の住まいには2人とも何度かきています。

その時は何も感じなかったと言われ少し安心したもののやはり物音は鳴り続けています。


母は、何も感じなかったと言った後に『座敷わらしでもいるのかもね』と言って笑っていましたが、私の家には何か分からない同居人がいるようです。


座敷わらしは住み着いた家に幸福をもたらすと言われていますが、今のところ私には特別何も起きていません。

同居してるのが座敷わらしなら私にも幸福を少し分けてもらえたらと思っているところです。






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日常不話 小国むぎ @tsumugu22

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