誰しもが一度は経験したことがある肝試し。団扇を動かしたのは誰だったのでしょうか?考えてみたいような、考えてみたくないような……。背筋がぞくりとしました。
肝試しなのに、楽しそう。思わずそんな言葉が出そうになるほど、作者様が参加された肝試しは、学生ならではの活発さと明るさで満ちている。これなら、怖がりのワタシでも参加出来そうじゃないですか?!と思ったのもつかの間、後半で一気に空気が変わります。誰かが、もしくは何かがいる。その存在を色濃く感じられずにはいられないこの空気。これから機会があっても肝試しに参加するのはやめよう。ワタシはそう決意しました。例え、どんなに楽しそうに見えても。そこには、何が待っているかわからないから――。
最初は何気なく見過ごしてきたけど、後々になって振り返ると「アレ?」と違和感を覚える。ホラーは恐怖を視覚に訴えますけど、怪談というのは、こういう正体の分からない出来事や理解出来ない謎が人々の恐怖心をそそるのだと個人的に思っています。ですので、今回の話は正に怪談物には打って付けだと思います。遠い過去になればソレも笑い話となるか、それとも未だに残る疑問と謎となって人の心に影を落とすのか……。それを知るのは当事者のみでしょうね。
沢山の人の前で起きる怪奇現象。賑やかな若者に寄りつく何かがいたのだろうか。一体誰が、何がそこにいたのか。追求はせず、そっとしておく事の大切さを体験者達には悟って欲しいと思うばかりです。
私は常々、肝試しはガチで曰くがある場所ではやってはいけない。やるとしてもせいぜい近所の墓場くらいでないと……そう思っていたのですが、曰くが無い場所でも安心できないかもしれませんね。普段見慣れた景色や過ごし慣れた場所。だけどいつもとは違う時間、少しだけ離れた場所では、説明がつかない「何か」が当たり前のように起こっているのかもしれません。
私は霊感はゼロですがとても恐がりなので。もちろん肝試しなんてしたことがありません。こんなことになるのなら、これから先も絶対にやりません。怖かったよぅ……(涙)
いったい、誰がやったの?いや、あそこには誰もいなかったし、一本道だから誰かいたら分かるはず。もしかして……?説明できない怪奇現象の話を聞いたら、誰だって背筋がぞくりとしますよね。作者様は高校時代にそんな「ぞくり!」となるような事件に実際に遭遇してしまいました。このお話を読んだ私にも、「誰が団扇を動かしたのか」皆目見当がつきません。その祠に、目に見えない「何か」がいたのでしょうか……?みなさんも、夏の最後に作者様の体験談で「ぞくり!」となってみませんか?