ワールド·コネクト

順々

1章

第1話河野晴樹の過去

 白井涼花が泣いている。

 それももう一時間くらい。

 涼花のお父さんとお母さんは泣き止ませようと必死になっているがなかなか泣き止まなかった。


 「なんでなの!?なんで行かなきゃダメなの!?私は晴樹くんと一緒にいたいだけなのにっ!」


 そう涼花は親の仕事の都合で外国に引っ越すことになったのだ。

 

 「涼花、、、本当にゴメンね。でも仕方ないのお父さんの仕事が忙しくなったからお引っ越ししないといけないの」

 「嫌だっ!だったら晴樹くんと一緒にいる。晴樹くんの家で暮らすもん!」


 涼花のお父さんとお母さんは頑として譲らない娘に困り果てていた。


 晴樹は泣くのを我慢していた。

 晴樹は男の子だから女の子の前では泣かないと決めていた。

 しかしそれももう限界に近い。

 だからといって晴樹は泣く訳にもいかないので晴樹は自分の思いを伝えるため、そして涼花をこれ以上を泣かせない為に言った。


 「だったら結婚しよう!大きくなったら絶対に会えるからその時は結婚しよう!だから泣かないで!」

 「ほえ?」


 突然のことだったからだろう涼花はスットンキョウな声をあげてしまった。

 そして涼花は涙だらけの目を見開き


 「うん!結婚する。大きくなったら絶対結婚する!」


 先ほどまで泣いていたのが嘘のように笑顔になった。

 それからは時間がかからなかった。既に引っ越しの準備を済ませてあったからだ。

 涼花は車に乗り、しかしまだ躊躇いがあるのだろうじっと晴樹の事を見つめていた。


 車が出発すると同時に車の窓が開いた。


 「晴樹くん!絶対にまた合おうね!そして結婚しよう!」

 「うん!約束だよ!絶対に結婚しようね!」


 そのまま車は行ってしまった。

 それが河野晴樹として白井涼花と最後の会話となってしまった。


 翌日、涼花の乗った飛行機が墜落した。

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