青い春、鈍色の夏、そして色褪せた秋。
λμ
十五歳
初恋はまだだと教えると、みんなこぞって遅いと言った。
恋なんて早けりゃいいってもんじゃないと思う。
だって私の恋は、誰よりも輝いていたから。
十五歳。私の春は青かった。
彼は私を見ていなかった。
恋は遅くていいけれど、言うのは早い方がいいらしい。
好きと伝えられずにいただけで、あの子が彼の隣を歩いてた。
たった一度の初恋は、何回思い返せば擦り切れるんだろう。
何をやっても楽しくない。何を読んでも覚えられない。
めくった頁は真っ白で、私の夏は鈍色だった。
まだまだ青いと言ってほしい。木の葉は青が抜けると落ちるんだから。
彼はまた別の子と歩いてて、あの子はたった一人で泣いていた。
私は隣に座って一緒に泣いた。
そして私の秋は色褪せた。
集めた落ち葉はよく燃えるんだ。恋で遊ぶなと言ってやるんだ。
冬は白だという人は、きっと雪と冬の区別もできないんだと思う。
一年で最も空が青いのに、足元ばっかり見つめてるのさ。
そんなの雪が降らなきゃ灰色じゃないか。
その一日を忘れたくないんだよ。上を向いてばかりで、疲れない?
私たちの最初の冬は、白から青への階調に決まった。
青い春、鈍色の夏、そして色褪せた秋。 λμ @ramdomyu
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