第4話

私は無事インフルエンザの強制休養期間を終え、元の家に戻り、いつもの生活に戻りました。

自分が体験した話はなかなか人に言えず、そっと胸の中にしまっていました。


それからこの体験を忘れかけた、3年程たったある日。

祖母の家で座敷にいた時、何故か突然思い出しました。

そして、祖母にこの体験をはなし、あの人形は何だったのだろうと伝えると、丁度似たような人形が物置にあると言われました。

ずっとしまっていたから見たことないかもしれないねと言われ、物置に行き、祖母が指さした方を覗いてみると、そこにはあの人形がケースに入って置かれていました。

そしてさらに、その人形があった場所は、私が見た場所の真裏だったのです。

驚きと恐怖で一杯になりました。

あれ?と祖母が言い、人形を出してきました。

「この人形こんな手の振り方してたっけ…それになんだか髪の毛が伸びてるような…」

見ると、手の振り方も不自然で、まるであの時の包丁を振り上げた時そのままの様でした。髪の毛も所々が1本ずつ伸び、とても不自然でした。

「もしかしたらずっとしまっていたから、寂しかったのかもしれないねぇ。」

と祖母は言いましたが、それならなぜあの時、包丁を持ってこちらを見ていたのか、寂しいなんてもんじゃなく、恨まれてるのではないかと1人震えていました。



その後、その人形はお寺に供養しに行きました。

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あの人形は… べるるん @bell_sk

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