会えなくなった人に会える。それはひとつのファンタジーだ。

 事故で亡くなった友人が、なんとゲームの世界に転生しているというお話。

 親友を失った悲しみや、彼に再会できた嬉しさ。そういった「青春の1ページ」的な描写が素敵だ。

 ただ惜しむらくは、本作にはプロットらしいプロットが見当たらないこと。題名にある「亡くなった友達がVRMMOの世界に転移してました」ですべてが語られてしまい、それ以上の展開がない。

 突飛な展開でなくてもいいし、それこそ親友のいままで語られなかった秘密とか、あるいは最後の1行にしょーもないダジャレでもあればもった良かったかな。