星を食べる夜
夜水 凪(なぎさ)
星を食べる夜
私は偶に物凄くお腹が空く
その空腹は、ご飯を食べても
甘いお菓子を食べても、治まらない
でも、ある時、その満たし方を知った
それは、星を食べること
街も人も犬も猫も鳥も
みんなが寝静まった真夜中、
そっとカーテンを開けて、窓を開けて、
誰にも見られていないかようく確かめて、
私を吸い込もうとする星空に、
落ちてしまわないよう気をつけて、
手を伸ばす
おいしそうな、きらりと光る星を
指で摘まんで、
ぱくりと一口
それは何にも代えられない、何とも言えない
幸せで、空腹に苦しむ私を
いっぱいにしてくれる
みんながこのおいしさを
知ってしまうと困るから
少し申し訳ないけど
私はこれだけは、誰にも教えないと、
そんなことを考えながら
きらきらと輝く星の畑に、また手を伸ばす
星を食べる夜 夜水 凪(なぎさ) @nagisappu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます