これぞ真の異世界体験

異世界に放り込まれた主人公がまずやるべき事は…言語解析?

読み進めていくうちに、読み手である自分自身、主人公と一緒に本当の異世界に放り込まれてしまったかのように、聞いたことも無い言語の意味不明な言葉の羅列を前に、その意味をなんとか解析しようと躍起になっている事に気付く。

多少の日本語や表現の粗など、さほど気にならないぐらいその世界に没入してしまう。

異世界言語習得というと、王領寺静(藤本ひとみが少年小説(今で言うライトノベル)執筆時に使う別名)の『異次元騎士カズマ』を思い出すが、あちらでは言語習得のくだりは時間の経過であっさりと表現されていた。

この作品では、その言語習得のくだりそのものが立派にエンターテインメントとして成立している点が素晴らしい!