非炎魔術師と空白の世界地図

飛竜だけが上空を支配する世界の、ある一つの都市を中心に国が始まって僅か数十年。未だに世界地図は完成していなかった。
土地の調査、記録を専門にした国家公務員『地質調査員』が各地に派遣され、『冒険者』と記録保存機関『図書館』の協力もあり少しずつだが確実に地図が広がっていった。
物語の舞台は暫定最西端、人手不足で広大な森林の調査もままならない地質調査隊の支部に、若干十四歳という若さで調査員の仕事を務める魔術師の少女、ノル（略称）が所属していた。
ノルが新たに発見された洞窟の調査中、奥地の湖で倒れていた記憶喪失の少年を発見する。
常識外の身体能力を持つが常識すら覚えていない彼をほっとけない彼女は護衛として仕事へ連れて行く事にした……
炎を見れない魔術師の彼女が生きる為、地図にない故郷を見つける為に地…続きを読む