(こちらは)正統派ラブコメショートショート……!

こちらは、と但し書きを付しているのは、同一作者様の手によるもう一編の超絶異端連作(!)ショートショートもあるからでして……あちらを後回しにして、先にこちらを読んだほうが良かったかな? と思ったりもしたのですが、毛色が違いすぎて読む順番はあまり関係なさそうですね。とにかく作風の振り幅が大き過ぎるんですよ! 温度差が凄いんです。熱帯魚ならとっくにプカプカ浮かんでます。

あ、閑話休題。

美しい余韻を残してふっと消える夏の灯火のような、多くを語らぬ淡いラストが本作最大の見所となっておりますが、そこに至るまでの経緯も決して疎かにすることなく、細部まで磨き上げられた彫刻の如き匠の逸品となっております。

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