第7話 思ってることは一緒。でぇと { 完 }
「あ、そーいやさ。お前明日暇だろ?」
とーどーはポケットを漁って何か出した。
「ジャジャーン、水族館の無料券」
少しクシャっとなったチケットを私に見せてくる。
「多分俺とお前、思ってること一緒だからさ。デートな、デート!」
デート。明日。言葉が私の頭の中でグルグルと回る。顔に熱が集まっていくのがわかる。
「しょうがないなっ、可哀想なとーどー君に付き合ってあげる!!」
「なんだよそれ、ってかとーどー呼びやめろ!!俺はゲームキャラじゃねぇつーの!」
とーどーはそう言って私の頭をグチャって撫でた。
「あああ!!グチャグチャになった!!」
「元からじゃねぇの??」
笑えてきて、2人で声を上げて笑った。
なんだ、やっぱり。再会のカッコつけた言葉なんていらないね。
でも、やっぱり好きは欲しいかな。
「とーどー!!」
「んだよ?」
「大好き!!」
「…馬鹿じゃねぇの」
「だーいーすーきー!!」
「っあー、わーったよ!!」
「1回しか言わねぇから!!」
「大好き。」
「1回は言ってくれるんだね!!」
「うるせぇ!!」
「それより明日。遅れんなよ!」
「とーどーこそ!!遅れたら承知しないからね!!」
「わーってるつーの!」
出会った時とは、季節も違う。
けれども、出会った時と同じように、自然と笑えたよ。
他のカップルと違ったっていい。今が心地いいから。
________________
水槽は幸せそうな2人の笑顔を写し出していた。
「とーどー!!水族館!!魚!!魚泳いでる!!美味しそう!!」
「馬鹿、水族館でそーゆー事言うなよな!!」
放課後の君と @08931
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