第6話 大繁盛!文化祭!

「来たれ お化け屋敷 !! 」


「A組クレープ!!美味しいよ!」


学校内はそんな声が飛び交っている。

午前チームで円陣を組んで、皆で叫ぶ。

なんだか体育祭みたいで楽しかった。


ひたすらにカチカチとボタンを押して、ななみんが説明をしている。

午前中はすぐに終わって、お昼ご飯を食べてななみんと回る。


ちなみに回りたかった所は全部回った。

他校からも沢山の人が来て、校内は賑わっている。


クラスのお化け屋敷も、大繁盛の様で案内人の子が慌ただしく動いていた。

回る所を回って特に用もなくなった私達はクラスを手伝うことにした。


____と言っても、あと1時間で終わるんだけれども。

それでもお化け屋敷は最後の最後まですごい人気だった。


文化祭の終了時間が来て、お化け役の子が一斉に座り出した。

ずっと立って脅かしていたからしんどかったんだろう。

ぐったりとしている子に声をかけて、先に帰ってもらった。

嗚呼。そうだ。結局とーどーは居なかった。


もうなんだろう、会うのも諦めた。

お気に入りの音楽を流して、片付けを始める。

明日は休み。振替休日だ。


半分くらい片付けた所で、時計は8時を指していた。

残っているのは私1人だ。


休憩を取って、また片付けを始める。


「働き者だな」


大半は片付け終わったところで、声が聞こえた。

手を止めて振り返る。そこにはとーどーではなく、佐原君が立っていた。

一瞬でもとーどーと期待した私を殴りたい。


「ボタン押すだけしかやってなかったからねー」


「んー、そう??俺も手伝うよ」


「もう終わるしいいよ?」


「俺もやりたい、つーかやらせて?」


佐原君はダンボールに手をかける。

やっぱりイケメンのすることは違う。

佐原君も手伝ってくれたこともあり、すぐに片付けは終わった。


「あ、これ外に捨ててくるね!」

ダンボールを纏めた袋を持ち上げて、外に出た。


ゴミ置き場には既に人影が。

暗くて見えない。

気にせずに袋を下ろして、教室に戻ろうとした時だ。


「宮原?」


とーどーだ。人影はとーどーだった。


「とーどー?」


「あ、そっか。今日は定時、文化祭だもんな」


「お化け屋敷、やったの」


「あー、めっちゃ賑わってたな」


久しぶりなのに、普通に会話が出来る。

なんでか分からないけれど、ポッカリと空いた穴が満たされていく様だった。


「それよりも、とーどー!最近私、避けてない!?」


一番聞きたかったことを聞いた。


「避けてねぇし!!第四校舎に変わっただけだ!!」


なんだ、そういうこと。

ピースが、シナプスが繋がった気がした。


「避けられてると思ったじゃん!!アホ!!」

なんだか安心してきて、全身の力が抜けてその場に崩れ落ちた。


「おい、どーした?遂に頭が逝ったか?」


とーどーがそばに居る。それだけで安心出来た。



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