第5話 時は陸上選手。文化祭
時が流れるのってすっごく速くて、テレビでやってる陸上選手の中継みたいだ。
夏が終わって、今は文化祭の秋。
秋は好きだ。この学校には秋休みがあって、文化祭の時期になると授業が潰れる。
今も文化祭に何をやるかって言うのでクラス委員が前に出て黒板にアイデアを書いていってる。
ちなみに私はお化け屋敷を提案した。
定番だけど、やっぱり楽しそう。
結局、クラス委員が悩みの末にお化け屋敷に決定したのだけど。
舞台は学校。この学校をイメージしたらしい。
役割が、大きく分けて案内人とお化け役にわかれた。
勿論人気なのはお化け役。
私はジャンケンが何故か負けるので案内人に回った。
あれね、何人来たかボタン押すやつ。カチカチ音が鳴る。
友達のななみんも案内人で、隣に座って説明する係になった。
文化祭は午前と午後で分けて、私とななみんは午前チーム。
午後からは自由行動!取り敢えずは隣のA組のクレープとD組の綿あめ、1年生のたこ焼きと3年生のたこ焼きをゲットしに行く予定だ。
皆で衣装と小道具を作って、1からって言うか0からお化け屋敷を作り上げる。
なんだか青春って感じだ!
買い出し班、イラスト班、組み立て班にわかれて着々と準備をしていく。
午後からはお化け屋敷作り。
私は買い出し班に任命されて同じ買い出し班の佐原君と大型モールに来ていた。
クラス委員が書いてくれたメモを頼りに買い物カゴに入れていく。
「ええっと、白い布にダンボール3つ、赤色のペンキと黒色のペンキ、青色の絵の具にスルメ?」
「スルメ!?」
佐原君も驚いたようにメモを見る。
「あー、これ絶対金崎だな。買わなくていいよ」
そう言って困ったように笑っている。
____けど、なんだか楽しそうだ。
メモに書いてるものを1通り買って、学校へと戻る。
先生から渡されたお金じゃ少し足りなかったから、私の野口英世が飛んでいった。
後で返してもらおう。
佐原君はザッ・紳士って感じだった。
ペンキとか重いものは佐原君が持ってくれて、軽いものは私に渡された。
本当に、とーどーとは大違い。
久しぶりにとーどーに会いたくなってきたな。
佐原君の話は面白かった。佐原君の親友の金崎君の話や、部活の話。
話してるとあっという間に学校についていた。
「佐原君、ありがとう!」
佐原君にお礼を言うと、当然だしって言われた。
紳士だ。イケメンだ。世の中ではこんな男子がモテるのだろう。ほんとに、とーどーに見習って欲しい。
買ってきたものをクラス委員に渡して、作業しているななみんを手伝う。
裁縫は苦手なので布を合わせて切る作業を担当した。
そんな日が続いて、明日はついに文化祭の日だった。
____早く、明日にならないかなぁ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます