アイデアだらけのこの世界

@pas

第1話

ぱっと部屋を見回す。まず目に入ったのは、壁に掛かったカレンダー。


「…よし。」


記憶の書庫から「カレンダー」の項目を引っ張り出し、並べる。


「カレンダーか、まずは『数字』…次は『規則性』……え〜と、『時間』……あとは…。」


次に、出てきた言葉同士を結びつける。共通項を探し、言葉の接着剤を付け、一つの「話」にしていく。


「5年前の日付が鍵を握るミステリー、主人公が古いカレンダーを活用して事件の規則性を暴き出す…と。」


何とか「話」になったらそれを満遍なく広げる。時には新しい言葉をくっつけたり、付けた言葉を離してみたり。


「実は犯人は主人公の親友で主人公を付け狙っていた…。あ、ここは日付じゃなくて場所の印にしても良いな。」


最後に自分で推敲。誰かに読んでもらって書くヒントを貰うのも良い。


「んー、確かにここは『切る』じゃなくて『切り取る』の方が良いね。…あ〜、ここの描写が詳しく必要か。」


以上、小説の書き方である。


ん?こんな簡単に書けたら苦労しないって?

そりゃそうだ。これはあくまで僕の書き方。というかこんな書き方で文章書いた事ない。


で、もしもその方法で書ける人がいたとしたらちょっと見てみたい自分である。(文才ある人は書けるかもね、自分には無理だけど)


とりあえず、そんな書き方はした事も見た事もないから、今回は出来る人を「作ってみた」(お話の中なら何でも出来るし、別に良いよね?)


「はいどーもー、こんにちはー。さっきブツブツ呟いてた人でーす。」


彼は「谷原優(やはらすぐる)」。

今回は彼に、部屋の中をぐるっと見回して見つけたものから、自由に発想を広げて文章を書いて頂こうと思う。


「マジですかー。結構しんどいですよ?あれ。」


まあまあ、そう言わずにちょっとやってみてよ。


「仕方ないっすね、じゃあボチボチ始めますかー。」


引き受けてくれて、ありがとう。

それでは、彼が乗り気(?)になったところで、よーい、スタート。

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