私が体験した＆聞いた奇妙な話

四つ目 体験した話 誰かの声

私が小学校２年生になったばかりのころ。

家に帰ってきたら、居間の明かりがついていないのに、誰かの声がしました。

家の誰の声とも違ったし、居間には誰もいなさそうだったし、言っていることがファミレスの宣伝っぽかったので、テレビがつけっぱなしになっているのだろう、この声はCMだろう、と思いました。

誰がつけっぱなしにしたのかわからないけど、テレビがつけっぱなしになってたってママに言わなきゃ。そう思いながら居間に向かいました。

でも、(廊下が短くて居間と玄関が割と近いから当然ともいえるけど、そして私は頭がゆっくりした子だったけどそれでも)すぐに気づきました。

あれがテレビなら、あの一言の後に何の音もしないのはおかしい、と。

じゃああの声は何だろう？と思って居間に入りました。

・・・居間には誰もいない。これは想定内。

・・・テレビがついていない。おかしいと思った時からそうかもしれないと思っていたから、これも想定内。

でも。

でも。

・・・あの声の原因らしいものが何もない。

スイッチ入れるとクリスマスの歌を歌うクリスマスツリーの形をした置物はあったけど、あの声とは全然違う。

それに気づいた次の瞬間、私は二階に駆け上がり、両親と兄がいる居間みたいなことになってる部屋へ駆け込みました。

家族に会えた、あの時の安心感は忘れようもありません。

声の内容ですか？

よく覚えていないのですが、たしか、カルボナーラがどうのこうのと言っていた気がします。

声自体は、どこかピエロを彷彿とさせるような、明るくも、どこか狂気が隠れているような、そんな声でした。それは、とてもよく覚えています。

・・・ひょっとしたら、当時お母さんと一緒に見ていた〇ックのドナルドのMADの影響が強くて、幻聴を聞いてしまったのかもしれませんね。