例えば、善きでもなく、悪しきでもない隣人として……

幽霊と聞けば、悪霊か、それとも幸をもたらしてくれる存在かと、我々は思いがちである。
だが、常人の大多数がそうであるように、幽霊もまた、そのほとんどは我々とは無関係な存在……なのかもしれない。
死者のすべてが幽霊になるとして、だとすれば、悪霊と呼ばれるものの数は圧倒的に少ない。それはきっと、ふつうの幽霊がたくさんいて、不干渉を貫いてくれているからだろう。
そうして、社会における他人がそうであるように、ときにそんな普通の幽霊たちは、我々に何らかの教訓を与えてくれるのかもしれない。
このエッセイを読んで、私は、そんなことを想った。

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